プロ野球の「日本一」を決める日本シリーズは引き分けや延長など、どのような仕組みやルールで試合が行われるのでしょうか。この記事では、日本シリーズについて、引き分けや延長戦の回数や登録選手の人数、優勝の決まり方などの仕組みやルールについて解説します。
3月末から始まったプロ野球のシーズンは10月上旬に終わり、10月中旬のクライマックスシリーズを経て、毎年10月下旬から11月上旬の日程で日本シリーズが実施されます。
日本シリーズで引き分けや延長戦になった場合は、どのようなルールや仕組みで試合が行われるのでしょうか。この記事では、日本シリーズのルール・仕組みを詳しくみていきます。
以前は、セ・リーグ、パ・リーグのペナントレースで優勝したチームが、日本シリーズへ出場していました。
しかし、2007年以降は、両リーグともペナントレースの後に実施されるクライマックスシリーズの優勝チームが出場するルールへと変更されています。
クライマックスシリーズの詳細については以下の記事で詳しく説明していますので、ぜひ併せてお読みください。
日本シリーズを開催する球場は、日本シリーズに出場するチームの本拠地球場です。
第1戦がセ・リーグ球団とパ・リーグ球団のどちらの球場から始まるのかは毎年交互に変わり、西暦の年の下1桁が偶数年はセ・リーグ球団の球場、奇数年はパ・リーグ球団の球場で第1戦が行われます。
日本シリーズは最大で7試合が予定されていて、日程は移動日を挟んで通常は次のように実施されます。
西暦の下一桁が偶数年の開催球場 | 西暦の下一桁が奇数年の開催球場 | |
第1戦 | セ・リーグ球団の本拠地 | パ・リーグ球団の本拠地 |
第2戦 | セ・リーグ球団の本拠地 | パ・リーグ球団の本拠地 |
移動日 | - | - |
第3戦 | パ・リーグ球団の本拠地 | セ・リーグ球団の本拠地 |
第4戦 | パ・リーグ球団の本拠地 | セ・リーグ球団の本拠地 |
第5戦 | パ・リーグ球団の本拠地 | セ・リーグ球団の本拠地 |
移動日 | - | - |
第6戦 | セ・リーグ球団の本拠地 | パ・リーグ球団の本拠地 |
第7戦 | セ・リーグ球団の本拠地 | パ・リーグ球団の本拠地 |
なお、2023年には第1戦が10月28日に実施される予定です。
日本シリーズの日程は上記のように最大7試合が予定されています。しかし、7試合全てが実施されるとは限りません。
というのは、日本シリーズは先に4勝したチームが優勝となるためです。そのため、どちらかのチームが4勝したら、日程が残っていても後の試合は行われません。
例えば、第1戦から4連勝で3試合をやらずに終わる、4勝1敗で2試合をやらずに終わる、ということもあります。
また、日本シリーズでも引き分けがあるので、第7戦までに先に4勝が決まらないことがあります。その場合は第8戦が実施され、過去には1986年の広島カープ対西武ライオンズの日本シリーズで第8戦が実施されました。
日本シリーズの気になるルールについて、もう少しくわしくみていきましょう。
1試合の中で9回までに勝敗がつかない場合には、日本シリーズでも延長戦に入りますが、2018年からは延長戦は第7戦までは12回までと決まっています。
ただし、第8戦以降も実施される場合は、延長戦の回数は無制限に変わります。
日本シリーズは第7戦までが予定されていますが、延長12回までなので引き分け試合になってしまうこともあります。
3勝3敗1引き分けなど、第7戦終了時点で勝率が並んでしまった場合は、第8戦を実施します。第8戦は第7戦を実施した球場で延長回数無制限で行われるので、雨天中止などにならない限り第8戦で決着するかたちです。
日本シリーズが雨天中止になった場合には、翌日に中止された試合が実施されます。
日本シリーズの第2戦までに雨天中止になったときは、2戦と第3戦の後の移動日がなくなり、第3戦の翌日に移動した球場で第4戦を行うルールです。
また、第3戦と第4戦のどちらかが雨天中止になった場合は、第4戦と第5戦の間の移動日がなくなります。
こちらは、1998年に横浜ベイスターズ対西武ライオンズの日本シリーズが雨天中止になったときの横浜ベイスターズの様子です。
日本シリーズに登録できる選手の数は各チームとも40人まで、ベンチ入りできる人数はペナントレースと同じ26人までです。日本シリーズでのベンチ入りの選手は試合ごとに登録します。
日本シリーズでは、ルールとしての予告先発はありません。しかし、日本シリーズ出場の両チームにおいて監督が合意した場合、予告先発が行われることがあります。つまり、その年によって、日本シリーズでは予告先発があったりなかったりするということです。
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