【野球ポジション】ライトの守備位置は?役割・動き方や有名選手を紹介!
野球の守備ポジションの一つであるライトの守備位置はどの辺なのでしょうか。ライトは守備が下手な人のポジションと言うのは本当なのでしょうか。この記事では、野球でのライトの役割や上達するためのコツ、プロ野球史上でのライトの名選手について解説します。
目次
野球のライトとは?
野球には9つの守備のポジションがあり、そのうち、外野のポジションはライト、レフト、センターの3つです。
少年野球や草野球では、ライトのポジションはあまり守備が得意ではない人が担当するようなイメージがあります。
一方で、プロ野球ではイチローのような名選手もいるので、ライトのポジションがどのようなポジションなのか、上手なのか下手なのか、よくわからないという人も多いようです。この記事で、野球の守備位置の一つであるライトについて詳しく見ていきましょう。
守備位置は本塁から見て外野の右側
まず、野球でのライトの守備位置はどこなのか抑えておきましょう。ライト(right)は英語で「右」という意味です。
ホームベースから野球のフィールド内を見たときに、外野の右側のポジションがライトのポジションになります。一塁と二塁の間の後方部分がライトの守備位置で、守備範囲は一塁側のファウルゾーンからセンターの守備位置との境までです。
キャッチャーのポジションから見て右側がライトなので、ライトの守備についている人は、ホームベースの方を向いたときに、外野の最も左側に就くことになります。ポジションの右と左で混乱しないように気をつけましょう。
レフトは外野の左側が守備位置
なお、ライトと対極的な位置にあるのがレフトです。レフトの守備位置は、ホームベースからフィールドの方を向いたときに、外野の左側となります。
二塁と三塁の間の後方部分がレフトの守備位置で、守備範囲は三塁側のファウルゾーンからセンターの守備位置との境までです。
ライトの役割と必要な動きや能力は?
ライトの守備位置の役割は次のとおりです。
役割その1:右中間への外野フライの処理
役割その2:一塁線・一二塁間を抜けたゴロの処理
役割その3:ファースト・セカンドのカバー
役割その4:センターのカバー
ライトの守備位置に最も求められる役割は、右方向へ飛んできたライトフライの処理です。ライトフライは、バッターの特徴によって飛んでくる位置が予想できるので、予め守備位置を微調整します。
また、ファーストとセカンドが取れずに外野までやってきたゴロを処理するのもファイトの役割です。このときには、ランナーを刺す必要があるので、返球します。
また、ファーストとセカンドがエラーをしたときのカバーは外野の役割なので、内野ゴロでもカバーを考えた動きが必要です。
これらの点を考慮すると、ライトに必要な能力とは、打者の特徴で守備位置を微調整したり、打球の方向で入るべき位置を素早く判断する判断能力、外野フライを確実にキャッチするキャッチング力、ライトの位置から三塁や本塁を刺せる強い肩があると理想的でしょう。
ライトは下手な人のポジション?
少年野球などでは、最も守備が下手な人が8番ライトに入ることが多いようです。ライトは野球が下手な人のポジションだと思われているようですが、実際のところはどうなのでしょうか。
一般的に右利きの人が多いので、少年野球や草野球では右バッターが多く、打球は左方向に飛ぶので、ライトには外野フライはほとんど飛んできません。
そのために、アマチュア野球では守備機会が少ないので、ライトは野球があまり上手ではない人に任せられることも多いようです。反対に、野球がうまい人は外野フライがよく飛んでくるレフトを担当します。
しかし、高校野球以上になると左バッターが増えて、右方向へも強い打球がガンガン飛んできます。また、右利きの人がライトの守備に就くと、送球するときに体を捻る必要がありレフトよりも負担が増えます。
そのことから、高校野球以上のレベルになると、守備が上手な人がライトを担当するようになっていくのです。また、プロ野球ではレフトは守備負担が少ないポジションとして、ベテランがコンバートされることが多い守備位置となっています。
ライトの守備を上達させるためのコツとは?
ライトのポジションを守ることになったときに、ライトの守備をより上達させるためにはどうしたらいいのでしょうか。ライトの守備を上達させるためのコツを解説します。
外野フライを確実にキャッチする
野球の初心者にとって、外野フライをキャッチするのはかなり怖いことです。まずは、外野フライを確実にキャッチできるようにしましょう。
外野フライを捕るコツは次のとおりです。
- 目線をぶらさない
- 片足を一歩引いて半身の姿勢を取る
- 少し後ろに下がって前進しながらボールを捕る
- 落下地点を予測する勘を身につける
飛んでくるボールから目線を外さずに、風などで流されても対処できるように少し後方で半身で構えながら、落下地点を予測することが大切です。
カバーを考えた動きをする
また、他のポジションに飛んだ打球でも、打球の動きを予測しながら、カバーを考えた動きを常にすることも大切です。
内野がボールを弾いたときのカバー、センターが外野フライを取りそこねたときのカバーを考えながら、ファースト頃やセカンド、センターの後方に入ることを考えた動きを心がけましょう。
プロ野球史上でのライトの名選手
プロ野球史上、ライトで名選手と呼ばれる選手は誰なのでしょうか。特に、近年で記憶に残っているライトの名選手を紹介します。
イチロー
ライトの守備位置のレジェンド的な選手といえばイチローです。1991年にドラフト4位でオリックス・ブルーウェーブに入団して、2001年にシアトル・マリナーズへポスティング移籍しました。
メジャー移籍後に見せた、ライトから三塁への送球でランナーを刺した場面は、現地の実況で「レーザービーム」と呼ばれて、アメリカの野球ファンも大いに熱狂させたものです。
打撃でも、2004年にはメジャー新記録となる1シーズン262安打を記録し、現在まで破られていません。また、メジャー1年目から10年連続200本安打も、唯一無二の記録として伝説的になっています。
ライトの名手として知られるイチローですが、意外にも高校までは投手もしていました。しかし、車に接触した自転車事故で投球フォームを崩して野手に転校したことで、ライトの名手イチローが誕生したのです。
糸井嘉男
糸井嘉男もライトで素晴らしいプレーを見せた選手でした。ライトのイメージが強い糸井嘉男ですが、2004年にプロ入りしたときにはセンターを主に担当していたそうです。ライトへのコンバートは2012年の日本ハム在籍時でした。
当時、日本ハムでライトを努めていた陽岱鋼よりも、足が速くて肩が強い糸井嘉男のほうが、守備負担の多いライトに向いているとの首脳陣の判断で、陽岱鋼とポジション交換する形でライトを担当するようになります。
福留孝介
福留孝介は1998年に逆指名のドラフト1位で中日ドラゴンズへ入団して、その後、メジャーリーグでも活躍して、2022年に現役を引退しています。
メジャーリーグから日本へ復帰した後は阪神へ入団しましたが、年齢を重ねても、ライトでの守備能力は衰えることがなく、ライトの定位置から距離のある打球でもしっかりと捕球してアウトにしている場面がよく見られました。
福留孝介は打者の特徴をつかんだポジショニングのうまさと、守備範囲の広さが特に優れていたといわれています。
打者が打席に入ったときには視界に入っていなかったはずの福留孝介が、打った瞬間に打球の進行方向に見えて驚いた、という話もよく聞かれました。
高橋由伸
伝統の巨人の第66代4番打者として、球界屈指のホームランバッターであった高橋由伸は、ライトの守備がとても優れていたことでも知られています。
プロ入りした直後は、当時最も強肩だといわれていた福留孝介よりも肩が強いともいわれ、ライトの守備は美しいとも評されました。
しかし、選手としての後半は打撃重視で、守備負担の少ないレフトの守備に就くことが多くなり、美しいライトの守備が見られなくなったとのファンの嘆きの声も溢れたようです。