春の選抜高校野球の出場校の決め方は関東・近畿で違う?夏の甲子園との違いも

「春の甲子園」と呼ばれる選抜高校野球の出場校の決め方はどのようになっているのでしょうか。夏の甲子園とは違い、出場校の決め方が不可解だと話題になる時や、関東と近畿で違うという話もあります。この記事では、選抜高校野球の出場校の決め方や関東と近畿の違いを解説します。

春の選抜高校野球の出場校の決め方は関東・近畿で違う?夏の甲子園との違いものイメージ

目次

  1. 1春の甲子園・選抜高校野球の出場校の枠の種類と決め方
  2. 一般枠
  3. 明治神宮大会枠
  4. 21世紀枠
  5. 2選抜高校野球の出場校を決める基準とは?
  6. 出場校を決める人は誰?
  7. 夏の甲子園との出場校の決め方の違いとは?
  8. 独自の選考基準とは?
  9. 関東と近畿で決める基準が違うの?

春の甲子園・選抜高校野球の出場校の枠の種類と決め方

高校野球では、春と夏の甲子園が最高峰の舞台とされていますが、春と夏の甲子園では出場校の決め方に違いがあります。

この記事では、ときに不可解な決め方だといわれることもある、「春の甲子園」選抜高校野球の出場校の決め方についてみていきましょう。

選抜高校野球の出場枠の種類は、一般枠、明治神宮大会枠、21世紀枠の3種類です。それぞれ詳しく解説します。

一般枠

一般枠とは、全国を10地区に区切って、それぞれの地区に選抜高校野球への出場校数を割り当てて決める決め方です。地区の区割りと出場校数の割当は次のようになっています。
 

地区 出場校数
北海道 1
東北 3
関東 4.5
東京 1.5
東海 3
北信越 2
近畿 6
中国 2
四国 2
九州 4
合計 29

関東と東京がそれぞれ1.5と4.5になっているのは、両方合わせた6校目は両地区の出場校を比較したうえで決めることになっているためです。

一般枠での選抜高校野球での出場校は、毎年10月から11月に行われる秋季大会の結果を参考にして決定されます。

しかし、選抜高校野球には後述するように独自の選考基準があるために、秋季大会での上位校が必ずしも選ばれるとは限りません。

明治神宮大会枠

明治神宮大会は毎年11月に明治神宮球場で開催される大会で、秋季大会で各地区で優勝した10チームが出場する大会です。

この大会で優勝すると、優勝チームが所属している地区に選抜高校野球大会への出場枠が1つ与えられます。たとえば、東北のチームが優勝したら本来の3枠に1枠追加されて合計4枠となるのです。

明治神宮大会枠が与えられるのは地区に対してであり、優勝校に対してではありません。

21世紀枠

21世紀枠は、様々なハンデを克服したり、地域貢献などに顕著な貢献があったりして、他校の模範となる学校の野球部を出場させる枠です。

2校が選ばれますが、21世紀枠で他校の模範となるには次のような点が考慮されます。

部員不足
グラウンドがなかったり極端に狭い
豪雪地域
ボランティア活動など

また、上記の条件を満たしている高校ならどこでもいいわけではなく、野球の実績もある程度考慮されます。野球の成績は、秋季大会県大会で、128校以上の都道府県ではベスト32、それ以外の県ではベスト16以上に勝ち上がった高校が対象です。

しかし、近年では野球の成績は、ベスト8やベスト4以上の高校が選ばれることが多くなっている傾向がみられます。

豊富な施設で十分な練習ができる強豪校とは違い、困難な環境でも一定の野球の実力が認められる高校を、各都道府県の高野連が推薦して、選抜高校野球の特別選考委員会で出場校が決定されます。

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選抜高校野球の出場校を決める基準とは?

選抜高校野球は、秋季大会の結果を基にして出場校を選考するとされていますが、実際には秋季大会で上位に入ったチームが選ばれないこともあり、選考方法が不透明だといわれることもあります。

選抜高校野球の出場校の決め方の基準はどうなっているのかみておきましょう。

出場校を決める人は誰?

選抜高校野球の出場校を決めるのは選考委員会です。選考委員は、日本高等学校野球連盟(高野連)と、大会を主催する毎日新聞社から選ばれます。

夏の甲子園との出場校の決め方の違いとは?

夏の甲子園は、各都道府県の県大会を勝ち上がったチームが出場します。それぞれの都道府県(東京と北海道は東西2地区ずつ)の優勝校が1校ずつ、不祥事などによる辞退がなければ必ず出場します。

一方、春の選抜高校野球大会は、選考委員会が独自の選考基準に基づいて出場校を決定されるため、夏とは違って野球だけが強ければいいという決め方ではありません。

独自の選考基準とは?

それでは、選抜高校野球大会の独自の選考基準とはどのようなものなのでしょうか。

基本的に一般枠は秋季大会の内容で決められているようですが、試合の勝敗だけでなく、試合運びに見られる創意工夫、ファインプレー、選手の野球に対する姿勢、取り組み方、粘り強さ、戦力のバランスなどを総合的に判断しているようです。

選抜高校野球の出場校は地区ごとの選考委員会で決定されますが、同じ年でも地区によって真逆の判断と見られる場合もあります。秋季大会の下位校が選ばれた年には、選考基準が不透明だという批判の声もよく上がるようです。

関東と近畿で決める基準が違うの?

春の選抜高校野球は、関東よりも近畿のほうが出場校が多いという人もいるようです。実際のところ、関東が少なく近畿のほうが多いのでしょうか。

現在では、一般選考枠で関東と東京合わせて6校、近畿6校なので、近畿のほうが特に多いというわけではありません。また、21世紀枠も全国まんべんなく選ばれているので、特に近畿地域だけが優遇されているということはないようです。

しかし、昔は、もともとは選抜高校野球が近畿地区限定の大会として始まり、徐々に関東地方へも出場校が広がってきた経緯があります。そのために、昔は近畿地区の出場校が最も多かったことから、関東の学校が選ばれにくい、ということは合ったようです。

しかし、現在では各地区の出場校が決められているので、関東地区も必ず東京と合わせて6校が出場しています。

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この記事のライター
元吉 馨
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