プロ野球の指導陣は、監督の下に複数のコーチがいるのが一般的ですが、プロ野球のコーチの年俸はいくらくらいなのでしょうか。この記事では、プロ野球のコーチの役割と年俸、選手と比べると意外に年俸が安い理由について詳しくみていきましょう。
プロ野球のチームの指導者は監督とコーチがいます。走塁コーチやバッテリーコーチなど、さまざまな役割を持ったコーチが各球団で選手たちの指導にあたっていますが、コーチの年俸は意外に低いとの噂もあるようです。
プロ野球のコーチにはどのような役割があり、年俸はどのくらいなのか、この記事では詳しくみていきましょう。
まずは、プロ野球における監督とコーチの役割の違いについてみていきましょう。監督はそのチームを総合的に束ねて指導する役割を持っています。
プロ野球では監督の役割は、チーム全体の方針を決めることや、試合を采配することです。チームの状況を見極めた上で、コーチや選手に必要な指示を出します。
プロ野球のコーチは、専門的な役目を持って配置されています。投手コーチやバッテリーコーチ、走塁コーチなどがあり、コーチは監督が決めたチームの方針に従って、個々の選手にそれぞれの専門性をもって指導を行うのが主な役目です。
プロ野球でのコーチの種類は球団ごとに若干異なります。主なコーチの種類は次のようなものです。
コーチの種類 | 役割 |
ヘッドコーチ | 監督に次ぐ2番目の序列の指導者で監督の補佐役 監督が休んだときには監督代行を務める |
総合コーチ | 作戦面で監督を補佐する |
作戦コーチ | 作戦に特化したコーチ |
投手コーチ | 投手の指導を行う |
ブルペンコーチ | ブルペンでリリーフ投手を指導する |
バッテリーコーチ | 主に捕手を指導する |
打撃コーチ | 打者の指導を行う |
守備走塁コーチ | 内野手と外野手の守備と走塁を指導する 練習時のノックや試合中のベースコーチも担当する |
プロ野球のコーチの年俸はいくらなのでしょうか。プロ野球でコーチとして球界に残ることができる人は、選手としてある程度の成績を残した人なので、選手時代は数千万円から億単位の年俸をもらっていた人ばかりです。
しかし、コーチになると年俸はぐっと安くなってしまいます。プロ野球のコーチの年俸は、コーチの中で最も序列が高いヘッドコーチで1,500万円から3,000万円程度、その他は1軍のコーチで1,500万円程度、2軍コーチで1,000万円程度が平均です。
同年代の会社員の平均年俸と比較すると若干高額ですが、通常は1年契約で実績が残せなければ翌年は契約されない可能性もあります。とても不安定な職業で将来が約束されないことを考えると安すぎる年俸かもしれません。
日本ではとても人気が高いプロ野球ですが、コーチの年俸がこれほど安いのはどうしてなのでしょうか。その理由を考察してみましょう。
プロ野球業界に限らず、どの業界でも、求人が求職者を上回る状況であれば、人材の争奪戦になるので給料の提示額は上がっていきます。一方、就職希望者が多くて人気の業種は給料が上がりにくいでしょう。
プロ野球界では、毎年100人程度の選手が戦略外通告されたり、自ら引退を選んだりします。そして、その多くが、コーチや球団職員としてプロ野球界に残りたいと考えるので、毎年、新しいコーチ希望者が数十人は生まれます。
しかし、すでに実績を残している優秀なコーチは継続することが多いので、なかなか新しいコーチの椅子は空きません。プロ野球界ではコーチになりたい人が多く、球団側の買い手市場になっているので、なかなか年俸が上がっていかない状況があるようです。
また、スポーツの指導者には無償の献身を望む日本のスポーツ文化の影響もあるようです。学校の部活動の指導は、教師が業務外でやるべき、休日の少年野球の指導者は親がボランティアでやるべき、といった風潮が日本ではまだまだ強くあります。
プロ野球選手として実績を残した人でも、指導者として年俸を上げて欲しいと声にしにくい状況も、コーチの年俸が安い理由になっているようです。