プロ野球では、ある球団が自力優勝消滅という状態になることがあります。自力優勝消滅とは、完全に優勝の可能性がなくなってしまうことなのでしょうか。この記事では、プロ野球の自力優勝消滅とはどのような意味なのか、マジックとの関係などみていきましょう。
プロ野球中継やプロ野球ニュースを見ていると、とあるチームの自力優勝が消滅した、といったことを聞くことがあります。プロ野球の自力優勝消滅とはどのような意味なのでしょうか。この記事では、自力優勝消滅について詳しくみていきましょう。
自力優勝消滅について解説する前に、自力優勝とマジックについて理解しておきましょう。
自力優勝とは、他のチームの勝敗に関わらず、自分のチームが勝ちを積み重ねていけば必ず優勝できるという状態です。
プロ野球では、ゲーム差という数字が使われます。ゲーム差とは、2位以下のチームが1位になるために、1位チームとの直接対決で必要な勝利数を表す指数です。ゲーム差2という場合には、直接対決で2回勝てば1位になれるということです。
5ゲーム差つけられていても、1位のチームとのゲーム数が6試合以上あり、全部勝てば逆転できる可能性があります。このような場合に、自力優勝の可能性があるといいます。
自力優勝の可能性のあるチームが1チームだけになった時に点灯するのがマジックナンバー、通称マジックです。
あるチームにマジックが点灯したら、そのチームは残り試合を全て勝てば必ず優勝できます。他のチームは残り試合を全試合勝っても、優勝できる可能性はなくなるのです。
それでは、自力優勝消滅とはどのような意味になるのでしょうか。自力優勝消滅とは、残り試合を全て勝ったとしても、逆転することができなくなった状態です。
首位のチームと10ゲーム差つけられていて、残り試合が8試合しかないときには、残り試合を全て勝ったとしても、首位チームを逆転することはできません。このような状態になってしまった時に自力優勝を消滅という事態になってしまいます。
自力優勝が消滅すると、そのチームが優勝する可能性は完全に消滅したように感じてしまうでしょう。しかし、自力優勝は消滅したとしてもまた復活する場合もあります。
例えば、5ゲーム差をつけられて首位との直接対決が残り5試合で自力優勝が消滅している状態だとします。この状態で、首位チームが他のチームとの試合に負けて、ゲーム差が4になると、残り5試合をすべて勝てば自力優勝の可能性が復活します。
このように、自力優勝の可能性や自力優勝の消滅は、他の球団との勝敗にも左右されるので、自力優勝消滅といってもあまり気にしないで応援を続けたほうがいいでしょう。
今までに、自力優勝消滅最速記録や自力優勝消滅から復活した具体例をみていきましょう。
自力優勝消滅最速記録は、2018年の楽天イーグルスです。この年の楽天イーグルスはシーズン開幕から調子が悪すぎて、31試合目の5月6日に自力優勝が消滅しました。この記録は、NPB史上最速の自力優勝消滅記録です。
このときの自力優勝消滅は、5月8日には消えて5月8日には復活しています。
自力優勝消滅からの奇跡の優勝といわれているのが2008年の巨人です。この年は、開幕から阪神がとても強く、7月8日には巨人と最大13ゲーム差をつけて、この日に巨人の自力優勝は消滅しました。
しかし、その後、阪神が大失速し、さらに巨人が猛烈に追い上げて、13ゲーム差の自力優勝消滅を引っくり返して優勝を遂げました。
自力優勝が消滅した状態からの優勝もあります。
2021年のオリックスは、自力優勝が消滅した状態でシーズンの全日程を終えました。しかし、2位のオリックスと優勝争いしていた1位のロッテが負けたことで、自力優勝消滅から優勝しました。
優勝の行方が最終戦までもつれることはあり、また、巨人の例のように1位チームの状態によっては自力優勝消滅からのシーズ後半での大逆転もあります。自力優勝消滅に一喜一憂しなくてもいいでしょう。