現在の高校野球のルールでは、試合が延長戦になった場合はタイブレーク方式で試合が再開されます。では、タイブレークとはどのようなルールなのでしょうか。この記事では、タイブレークの意味や、タイブレークになったときの打順やランナーなどのルールについて詳しく解説します。
高校野球では2018年から、試合が延長戦に入ったときにタイブレークが徐々に導入されるようになりました。2023年からは、甲子園での決勝でもタイブレークが導入されることになり、高校野球の延長戦はタイブレークで始まることが普通になりつつあります。
ところで、タイブレークとはどのようなルールなのでしょうか。タイブレークについてまだよく理解できていない方のために、この記事では主に高校野球でのタイブレークについて詳しく解説します。
タイブレーク(tie break)とは「同数均衡(tie)を破る(break)」という意味の言葉で、主にスポーツで用いられます。試合の終盤に同点で決着がつかないときに、早く決着をつけるためのルールです。
野球以外ではテニスがタイブレークを採用していて、ゲーム数が6対6のときに7ゲーム目のサーブ権1本ずつ交代して2点差がついた時点で試合が終了します。
野球とソフトボールでは、延長戦で試合の決着を早めるために、ランナーが塁に出ている状態からイニングを始めますが、ランナーの位置やタイブレークを始めるイニングについては、野球とソフトボールではリーグなどで異なります。
高校野球の試合が延長繊維入った時のタイブレークのルールは次のとおりです。
2018年のタイブレーク導入時には、タイブレークの開始イニングは延長13回からでしたが、2023年からは延長10回からに変更されています。
タイブレークが始まる時の攻撃側のランナーは1塁2塁です。1塁ランナーには10回の先頭打者の前の打者、2塁ランナーには1塁ランナーの前の打者がつきます。なお、代走も可能です。
なお、リーグによっては満塁から始まる場合もあります。
高校野球のタイブレークでは、タイブレーク開始時のアウトカウントはノーアウト、無死から始まります。なお、リーグによっては一死から始まる場合もあります。
タイブレークが始まる場合の打順は、現在の高校野球では9回最終打者の次打順から始まる継続打順となります。なお、代打も可能です。
なお、リーグによってはタイブレークに入った時点で新しく打順を組み替える任意打順をルールとする場合もあります。
現在の、高校野球以外での野球のタイブレークの採用状況は次のとおりです。
高校野球ではタイブレークが導入されるまでにどのような歴史があったのでしょうか。タイブレークが現在の形で導入されるまでの歴史は次のとおりです。
2013年:甲子園で選手の体調面を考慮して休養日が設定される
2014年:一部の春季大会や地区大会などでタイブレークを試験的に採用
2015年:春季都道府県・ブロック大会で延長10回から一死満塁でのタイブレークを導入
2017年:春の甲子園で2試合連続延長15回引き分け再試合が起きて、選手への体の負担の軽減策としてのタイブレークの議論が本格化する
2018年:春夏の甲子園と地方大会で延長13回から無死1塁2塁でのタイブレークを導入(甲子園決勝を除く)
2021年:甲子園の決勝でもタイブレークを導入
2023年:タイブレークの開始を延長10回からに変更
タイブレークは試合の決着を早めるためのルールで、今年の高校野球でもタイブレークに突入した試合がいくつかありました。これまでタイブレークについてよくわからなかったという人も、ルールがわかったことで今後はより野球観戦が楽しめるのではないでしょうか。