野球のルールにDH(指名打者)制というものがありますが、DHとはどのような意味なのでしょうか。この記事では、投手の代わりに指名打者が打席に入るDHとはどのようなものなのか、現在の導入状況、DH制を導入するメリットとデメリットについて解説します。
野球には色々なルールがあり、DH制はその1つです。指名打者制ともいいますが、野球のDH制(指名打者制)とはどのようなルールなのか、詳しくみていきましょう。
野球のDH制とは、攻撃側チームが投手の打順で代わりに打撃専門である指名打者の選手を置くことができるルールです。
DH制はあくまでも投手の代わりに打撃専門の選手を置いてもいいという意味であり、DH制を採用している試合でも指名打者ではなく投手が打席に入っても構いません。
また、DHの選手はチームが守備側であるときも守備位置にはつかず、打撃専門で試合に出場します。もしDHに代打や代走が送られた場合は、送られた選手がそれ以降はDHとして出場することがルールです。
なお、DHとして試合に出場していた選手が守備位置に就いたときには、DHの代わりを立てることはできずに、以降はそのチームはDHなしの9人で試合を行います。
DH制はすべての野球の試合で導入されているわけではありません。リーグなどによりDH制の導入状況が異なります。
アメリカのMLBでは、2022年からリーグを問わずDH制が導入されました。しかし、2022年に「大谷ルール」というDHに関する新しいルールも導入されています。
大谷翔平は投打二刀流で活躍しています。大谷ルール導入以前は、投手として出場した試合では、投手を降板した後は出場を続けることができずに、打者としても降板するか、他の守備位置に就く必要がありました。
そこで、2021年のオールスターからは先発投手がDHを兼任して出場した場合、投手を降板した後もDHとして出場し続けることができるという新しいルールが設けられました。
このルールは「大谷ルール」と呼ばれ、2022年からMLBの公式戦で採用されています。
野球でDH制を導入するのにはメリットだけでなく当然デメリットもあります。ここでは、DH制を導入するメリットとデメリットをみていきましょう。
DH制のメリットです。
DH制を導入すれば、投手は打撃をする必要がなくなります。野球のポジションで一番負担が大きいのは投手なので、打撃の負担がなくなることには非常に大きなメリットです。
DH制を導入すれば、出場選手の枠を10人に増やすことができます。プロ野球では、ファンにとっては応援できる選手が増えるので、楽しみが増すのもメリットといえるかもしれません。
野球選手のなかには、打撃はよいが守備はいまいちという選手もいます。DH制がなければ、そのような選手は守備重視の試合では出場機会に恵まれないでしょう。
しかし、DH制があれば守備に難のある選手や、怪我などで打撃や走塁まではできても守備は難しいという選手にも出場のチャンスが生じます。
DH制のデメリットは次のとおりです。
DH制が導入されていない試合では、攻撃でチャンスの場面に投手に打順が回ったときに代打を送るという選択肢がありません。
代打の起用自体が少なくなるので、出場する選手が固定化する恐れがあります。1試合あたりのスタメンの人数はDH制で増えても、シーズンを通した出場選手の総数は減少したというデータもあるようです。
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