【野球ルール】DH(指名打者)制とは?意味やメリットを解説
野球のルールにDH(指名打者)制というものがありますが、DHとはどのような意味なのでしょうか。この記事では、投手の代わりに指名打者が打席に入るDHとはどのようなものなのか、現在の導入状況、DH制を導入するメリットとデメリットについて解説します。
目次
野球のルール・DH(指名打者)制の意味とは?
野球には色々なルールがあり、DH制はその1つです。指名打者制ともいいますが、野球のDH制(指名打者制)とはどのようなルールなのか、詳しくみていきましょう。
投手の代わりにバッターボックスに入る打撃専門の選手を置けるルール
野球のDH制とは、攻撃側チームが投手の打順で代わりに打撃専門である指名打者の選手を置くことができるルールです。
DH制はあくまでも投手の代わりに打撃専門の選手を置いてもいいという意味であり、DH制を採用している試合でも指名打者ではなく投手が打席に入っても構いません。
また、DHの選手はチームが守備側であるときも守備位置にはつかず、打撃専門で試合に出場します。もしDHに代打や代走が送られた場合は、送られた選手がそれ以降はDHとして出場することがルールです。
なお、DHとして試合に出場していた選手が守備位置に就いたときには、DHの代わりを立てることはできずに、以降はそのチームはDHなしの9人で試合を行います。
DH制の導入状況について
DH制はすべての野球の試合で導入されているわけではありません。リーグなどによりDH制の導入状況が異なります。
- MLB
アメリカン・リーグでは1973年から世界に先駆けて導入しました。ナショナル・リーグでも2022年から正式にDHが導入されています。
- NPB
パ・リーグでは1975年からDH制を導入しています。セ・リーグでは導入していません。
- 日本の大学野球
リーグによってDHの導入状況が異なります。東京六大学と関西大学ではDHを導入していません。その他の大学野球リーグでは全て導入されています。
- 日本の高校野球から下の年齢の野球
高校、中学、小学生の野球ではリーグや軟式、硬式を問わずDH制はルールで認められていません。
DHの新ルール・大谷ルールとは?
アメリカのMLBでは、2022年からリーグを問わずDH制が導入されました。しかし、2022年に「大谷ルール」というDHに関する新しいルールも導入されています。
大谷翔平は投打二刀流で活躍しています。大谷ルール導入以前は、投手として出場した試合では、投手を降板した後は出場を続けることができずに、打者としても降板するか、他の守備位置に就く必要がありました。
そこで、2021年のオールスターからは先発投手がDHを兼任して出場した場合、投手を降板した後もDHとして出場し続けることができるという新しいルールが設けられました。
このルールは「大谷ルール」と呼ばれ、2022年からMLBの公式戦で採用されています。
野球でDH制を採用するメリット・デメリット
野球でDH制を導入するのにはメリットだけでなく当然デメリットもあります。ここでは、DH制を導入するメリットとデメリットをみていきましょう。
メリット
DH制のメリットです。
投手は打撃をしなくてもいい
DH制を導入すれば、投手は打撃をする必要がなくなります。野球のポジションで一番負担が大きいのは投手なので、打撃の負担がなくなることには非常に大きなメリットです。
出場選手が10人に増える
DH制を導入すれば、出場選手の枠を10人に増やすことができます。プロ野球では、ファンにとっては応援できる選手が増えるので、楽しみが増すのもメリットといえるかもしれません。
守備が下手でもDHのスター選手になれる可能性
野球選手のなかには、打撃はよいが守備はいまいちという選手もいます。DH制がなければ、そのような選手は守備重視の試合では出場機会に恵まれないでしょう。
しかし、DH制があれば守備に難のある選手や、怪我などで打撃や走塁まではできても守備は難しいという選手にも出場のチャンスが生じます。
デメリット
DH制のデメリットは次のとおりです。
選手の固定化の可能性が
DH制が導入されていない試合では、攻撃でチャンスの場面に投手に打順が回ったときに代打を送るという選択肢がありません。
代打の起用自体が少なくなるので、出場する選手が固定化する恐れがあります。1試合あたりのスタメンの人数はDH制で増えても、シーズンを通した出場選手の総数は減少したというデータもあるようです。
打撃がうまい投手の見せ場がなくなる
高校野球まではエースで4番という選手もたくさん出てきます。プロ入りしてからも、セ・リーグでは投手でも打撃が上手な選手が、攻撃のチャンスで自分の打撃で自分の投球を援護する場面も今までに多くありました。
しかし、DH制が導入されると、投手の打撃機会は大谷翔平レベルの選手にならなければなくなってしまいます。打撃が上手な投手のバッターとしての見せ場がなくなってしまう可能性が高いでしょう。