プロ野球の試合では先発投手を「予告先発」しますが、明日の予告先発はいつわかるのでしょうか。この記事では、予告先発とはどのようなもので、明日の予告先発がいつわかるのか、予告先発した先発投手が登板回避した場合のペナルティについて解説します。
野球の試合の流れは、投手によって半分以上が決まるともいわれています。そのために、先発投手が誰になるのか、相手チームにとってはとても重要なポイントとなる点です。
その点、日本のプロ野球では「予告先発」が行われています。予告先発で先発投手がわかるので、相手チームとしては打順のオーダーを組みやすいともいえるでしょう。
プロ野球で行われている予告先発とは、試合の前日に先発投手を事前に発表することです。
予告先発は、パ・リーグで観客増員を目的に1985年から日曜便限定で行われるようになり、1994年からは全試合で予告先発されるようになりました。セ・リーグでも2012年からシーズンの全試合で予告先発が導入されています。
クライマックスシリーズでは、2006年以降予告先発が導入されていますが、日本シリーズでは正式な予告先発は行われていません。しかし、日本シリーズでは監督同士の紳士協定として予告先発が行われることがあります。
近年では、日本シリーズで予告先発が行われないことのほうが珍しくなっており、予告先発が行われなかった日本シリーズは、2017年のソフトバンク対横浜DeNA、2021年のオリックス対ヤクルトのみです。
では、明日の予告先発はいつわかるのでしょうか。前日に試合がある日は、予告先発の届け出は前日の試合開始の1時間前までとなっています。
前日に試合がない日は、前日の15時までに予告先発の届け出をしなければなりません。予告先発の届け出の締切がすぎるとNPBのホームページで直ちに発表され、各球団のホームページやSNSなどでも発表されます。
予告先発として届け出をした先発投手が、登板を回避した場合にはペナルティがあります。予告先発が先発しなかった場合についてみておきましょう。
予告先発として届け出をした先発投手は、体調不良や怪我などのアクシデントの理由以外では変更できません。
病気や怪我以外のアクシデントでは不祥事で予告先発変更ということもありましたが、戦略として、故意に違う投手を先発冴えることはルール違反となります。
ただし、体調不良や怪我の場合でも、予告先発の変更には審判と相手チームの監督の了承が必要です。また、相手チームとリーグへの報告と、メンバーの交換時の報告が義務付けられています。
予告先発として届け出をされながら登板を回避した先発投手には、3日間の出場停止のペナルティが課せられます。
ただし、体調不良や怪我などのやむを得ない理由で、メンバー交換前に変更した場合には、出場停止のペナルティはありません。
予告先発は先発投手として打者1人でも登板すればいいので、どうしても出場停止のペナルティを回避したい場合は打者1人だけに登板することもあります。
また、戦略として、予告先発した右投手に打者1人だけ投げさせて、すぐに左投手に変えたような例も過去にはあります。
予告先発が発表された後で雨などで試合が中止になった場合は、予告先発を変更することができます。
例えば、今日の試合が雨で中止になった場合、今日先発する予定だった選手が明日の試合で先発する「スライド登板」も可能です。
なお、試合が中止された場合に予告先発を変更してスライド登板するかどうかは、チームごとの判断です。スライド登板しないで、その投手の登板を1回回避してローテーションの次の投手に翌日先発させることもあります。