読売ジャイアンツだけでなくメジャーリーグでも活躍した上原浩治さんは、日米で数々の成績を残したスター選手です。上原浩治さんが現役時代に活躍に見合った年俸を得ていたのか気になるところです。上原浩治さんの成績や生涯年俸について詳しく解説します。
プロ野球の投手には決め球や得意ボールがあるため、何をもって最高の投手と評価するかは残した成績、または対戦した選手の意見によって決まります。
プロ野球史上最高のフォークボールを投げる選手は誰かを決める企画が、YouTubeチャンネル「フルタの方程式」で取り上げられ話題を呼びました。5人の元プロ野球選手が挙げた選手の中に、この記事で取り上げる上原浩治さんがいます。
フォークボールは、高低の投げ分けつまりストライクを取る球と、打者を空振りさせる球の2種類を使い分けるのが一般的です。
しかし、上原浩治さんは、左打者のインコースに食い込むフォークボールや、逆に逃げていくフォークボールなど、完璧なコントロールで両サイドの投げ分けもできたといわれています。
また、上原浩治さんはフォークボールの落差の投げ分けもできたため、打者はフォークと分かっていても打てなかったそうです。
では、球界屈指のコントロールとフォークボールを武器に、日米で活躍した上原浩治さんの成績や年俸についてみていきましょう。
上原浩治さんは大阪体育大学時代に頭角を表し、大学4年間で通算リーグ優勝5回、36勝4敗、最優秀投手賞4回、特別賞2回という成績をおさめ、1998年のドラフト会議では松坂大輔さんと並ぶ注目選手となりました。
メジャーリーグのエンゼルスと巨人の争奪戦になりますが、巨人を逆指名して入団します。上原浩治さんのプロフィールをみていきましょう。
本名 | 上原浩治 |
愛称 | ウエ |
生年月日 | 1975年4月3日 |
現在年齢 | 47歳 |
出身地 | 大阪府寝屋川市 |
血液型 | B型 |
身長 | 187cm |
体重 | 87kg |
所属球団 | 東京読売ジャイアンツ(1999年~2011年) ボルチモア・オリオールズ(2011年~2012年) ボストン・レッドソックス(2013年~2016年) シカゴ・カブス(2017年) 東京読売ジャイアンツ(2018年~2019年) |
主な成績 | 日米通算134勝93敗128セーブ、防御率2.66、奪三振1400 日米通算100勝、100セーブ、100ホールド(中継ぎ投手) NPB 最多勝利(2回) 最優秀防御率(2回) 最多奪三振(2回) 最高勝率(3回) 沢村栄治賞(2回) 新人王 ベストナイン(2回) ゴールデングラブ賞(2回) 月間MVP(4回) 日本シリーズ優秀選手賞(1回) 最優秀投手(2回) スピードアップ賞(2回) 最優秀バッテリー賞(1回) 最優秀バッテリー賞特別賞(1回) オールスターゲーム優秀選手賞(2回) サンヨーオールスター新人賞 サンヨー賞(1回) 最優秀JCB・MEP賞(1回) IBMプレーヤー・オブ・ザ・イヤー賞(1回) 日韓プロ野球スーパーゲーム第1戦 優秀選手賞 東京ドームMVP(2回) ヤナセ・ジャイアンツMVP賞(2回) MLB リーグチャンピンシップシリーズMVP(1回) |
上原浩治さんは、日本では巨人一筋12年、メジャーリーグでは4つのチームを渡り歩き9年間プレーし、トータルで21年間の現役生活を送りました。
気になるのはそれぞれのチームで築き上げた成績と獲得した年俸です。日本と海外での成績、および獲得した年俸の推移を紹介します。
最初に紹介するのは、トータルで12年間過ごした巨人での成績と年俸の推移です。
年度 | 成績 | 年俸 |
1999年 | 25試合、20勝4敗、防御率2.09、勝率.833、奪三振179 | 1300万円 |
2000年 | 20試合、9勝7敗、防御率3.57、勝率.563、奪三振126 | 6600万円 |
2001年 | 24試合、10勝7敗、防御率4.02、勝率.588、奪三振108 | 7600万円 |
2002年 | 26試合、17勝5敗、防御率2.06、勝率.773、奪三振182 | 1億600万円 |
2003年 | 27試合、16勝5敗、防御率3.17、勝率.762、奪三振194 | 2億1000万円 |
2004年 | 22試合、13勝5敗、防御率2.60、勝率.722、奪三振153 | 3億円 |
2005年 | 27試合、9勝12敗、防御率3.31、勝率.429、奪三振145 | 3億5000万円 |
2006年 | 24試合、8勝9敗、防御率3.21、勝率.471、奪三振151 | 3億4000万円 |
2007年 | 55試合、4勝3敗、防御率1.74、勝率.571、奪三振66、セーブ32 | 3億1000万円 |
2008年 | 26試合、6勝5敗、防御率3.81、勝率.545、奪三振72、セーブ1 | 4億円 |
続いて9年間のメジャーリーグでの成績と年俸の推移を紹介します。
年度 | 球団 | 成績 | 年俸 |
2009年 | オリオールズ | 12試合、2勝4敗、防御率4.05、勝率.333、奪三振48 | 500万ドル |
2010年 | オリオールズ | 43試合、1勝2敗、防御率2.86、勝率.333、奪三振55、セーブ13 | 500万ドル |
2011年 | オリオールズ& レンジャーズ |
65試合、2勝3敗、防御率2.35、勝率.400、奪三振85 | 550万ドル |
2012年 | レンジャーズ | 37試合、0勝0敗、防御率1.75、勝率.000、奪三振43、セーブ1 | 350万ドル |
2013年 | レッドソックス | 73試合、4勝1敗、防御率1.09、勝率.800、奪三振101、セーブ21 | 425万ドル |
2014年 | レッドソックス | 64試合、6勝5敗、防御率2.52、勝率.545、奪三振80、セーブ26 | 425万ドル |
2015年 | レッドソックス | 43試合、2勝4敗、防御率2.23、勝率.333、奪三振47、セーブ25 | 900万ドル |
2016年 | レッドソックス | 50試合、2勝3敗、防御率3.45、勝率.400、奪三振63、セーブ7 | 900万ドル |
2017年 | カブス | 49試合、3勝4敗、防御率3.98、勝率.429、奪三振50、セーブ2 | 600万ドル |
最後に巨人に復帰してから2年間の成績と年俸の推移を紹介します。
年度 | 成績 | 年俸 |
2018年 | 36試合、0勝5敗、防御率3.63、勝率.000、奪三振24 | 2億円 |
2019年 | 記録なし | 5000万円 |
上原浩治さんが日米で獲得した年俸の総額は、推定91億2350万円です。下の表はその内訳ですが、メジャーで獲得した年俸は1ドル135円として計算しています。
日本での総年俸額 | 21億7100万円 |
メジャーでの総年俸額 | 69億5250万円 |
上原浩治さんの年俸の推移をみると、球団からいかに高く評価されていたかがよくわかります。
投手としての成績は表を見ればある程度その凄さが分かりますが、実は数字に表れない上原浩治さんの記録も多いです。
では、MLB(メジャーリーグ)と日本で上原浩治さんが残した偉大な記録をみていきましょう。
2013年、上原浩治さんはボストン・レッドソックスに移籍して1年目のシーズンだったにもかかわらず、シーズン前半にクローザーに抜擢されます。
9月11日行われた地区優勝決定戦ではトロント・ブルージェイズと対戦し、最後の打者を仕留めて20セーブ目を上げ、MLBにおける日本人2人目の胴上げ投手となりました。
その後行われたリーグチャンピオンシップシリーズでは、デトロイト・タイガースを相手に活躍し、1勝0敗3セーブ4安打9奪三振無四球無失点でリーグ優勝決定シリーズMVPに選ばれます。
救援投手としてはMLB史上3人目の快挙で、日本人として初の受賞でした。迎えたセントルイス・カージナルスとのワールドシリーズでもクローザーとして活躍します。
優勝のかかった第6戦では最後の打者を三振に打ち取り、MLBにおける日本人初のワールドシリーズ胴上げ投手となりました。
上原浩治さんは、日本人選手としてMLB史に残る記録を打ち立てましたが、日本でも素晴らしい記録を残しています。
数多くのタイトルを受賞していますが、特にすごいのは最高勝率のタイトルを3回受賞していることです。これはセリーグタイ記録で、堀内恒夫さん、北別府学さん、斎藤雅樹さんに次ぐ4人目の快挙となりました。
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