試合時間が決まっているスポーツは多いですが、野球の試合時間は決まっていません。では、野球の試合時間の平均はどのくらいなのでしょうか。この記事では、少年野球から高校野球、プロ野球までの試合時間の平均と、今までの最短試合や最長試合を紹介します。
スポーツでは、試合時間か試合が決まる得点が決まっているものが多いです。例えば、サッカーのJリーグは前後半45分ずつの合計90分ずつ、ラグビーは前後半40分ずつの合計80分、卓球は1セット11点、バレーボールは25点先取でセットが終わります。
卓球やバレーボールは試合時間が決まっているわけではありませんが、得点の流れで残り時間の目安を測ることが可能です。
それに対して、イニング制の野球は試合時間がどのくらいなのか読めない、試合時間が長いといわれています。今回は、野球の試合時間はどのくらいなのか、年代別の平均や最長・最短を調べてみました。
イニング数 | 試合時間の平均 | 最長試合時間 | 最短試合時間 |
5回 | 1時間30分 | データなし | データなし |
少年野球はイニング数が5回までと短く、試合時間は1時間30分までと決められています。1時間30分を超えた場合、現在の軟式野球のルールでは、5回に達していなくても次のイニングに入らないというルールになっているそうです。
イニング数 | 試合時間の平均 | 最長試合時間 | 最短試合時間 |
7回 | 2時間 | データなし | データなし |
中学野球はイニング数が7回までと短く、試合の平均時間も2時間程度です。
イニング数 | 試合時間の平均 | 最長試合時間 | 最短試合時間 |
9回 | 2時間9分 | 4時間55分 1933年夏の甲子園 中京商対明石中 |
1時間12分 1947年夏の甲子園 小倉中対岐阜商 |
高校野球は、甲子園での試合平均を計算すると2時間9分という結果でした。試合時間が最長となった昭和8年の中京商と明石中との試合は、延長25回1対0という投手戦だったそうです。
反対に最短記録は昭和22年の小倉中対岐阜商の試合で、激しい打撃戦となり6対3という結果でした。
同じイニング数の大学野球やプロ野球と比べると平均時間が短くなっているのは、攻守交代でキビキビと走る、プロほど複雑なサイン交換をしないといった理由があります。
イニング数 | 試合時間の平均 | 最長試合時間 | 最短試合時間 |
9イニング | 2時間30分 | 4時間48分 1967年 慶応対法政 |
1時間12分 1937年 立教対東京 |
大学野球は東京六大学での記録です。
イニング数 | 試合時間の平均 | 最長試合時間 | 最短試合時間 |
9回 | 3時間から3時間30分 | 6時間26分 1992年9月11日 阪神対ヤクルト |
55分 1946年 大阪タイガース対パシフィック |
プロ野球の試合時間の平均は、3時間から3時間30分程度となっています。最長試合時間だった平成4年の阪神対ヤクルトの試合では、抗議によって途中で37分間の中断がありました。18時に始まった試合の終了が0時26分となり、観客もかなり疲労気味だったようです。
最短記録は勝利投手が88球、負け投手が91球と投球数が少なく、両チームともかなりの早打ちの試合でした。
プロ野球の試合時間は、年々長くなっているといわれています。その理由は2つあり、1つ目は1人の投手が完投するのではなく継投することが多くなったため、投手交代に時間がかかることです。
2つ目は、投手が持つ球種が増えたため、サイン交換に時間がかかるようになったためだといわれています。
近年は、野球の試合時間が長すぎるのではないかと言われるようになってきました。特にプロ野球は平均で3時間以上、時には5時間を超えることもあります。
そのため、テレビで中継されていても、試合の途中で野球放送が終了となるケースもあるため、プロ野球の試合時間短縮は課題のひとつです。
メジャーリーグでは、バッテリーのサイン交換の時間を短縮するためのピッチコムという機械や、投球するまでの時間を短縮するためのピッチクロックというルールを導入しました。
今後、日本のプロ野球にもこれらが導入される可能性が高く、今後日本のプロ野球も時間短縮していく可能性が高いでしょう。