野球のOPSの意味は?出塁率/長打率との関係や計算方法もわかりやすく解説!
野球の評価にOPSというものがあります。ですが、名前を聞いたことはあっても、OPSとはどんなことを意味しているのかが分からないという人も多いのではないでしょうか。この記事では、OPSとはなにかや出塁率/長打率との関係や計算方法も解説していきます。
野球のOPSの意味は?
野球の評価項目にはOPSというものがあり、打者を評価する基準になっています。しかし、聞いたことはあっても、OPSがどのようなことを意味しているのかが分からないという人も多いのではないでしょうか。
野球のOPSの読み方や意味は?
野球のOPSの読み方や意味について解説していきます。
読み方はオーピーエス/オプス
野球のOPSの読み方とは、はオーピーエス/オプスです。また、野球のOPSとは打者を評価する指標として用いられています。この野球のOPSとは統計学であり、データを使うことで選手の評価や試合の戦略を立てるセイバーメトリクス指標の1つになっています。
打撃指標数/On Plus Sluggingのこと
野球のOPSとは、打撃指標数/On-base plus sluggingのことです。On-baseは出塁率で、sluggingは長打率のことを表しています。よって、OPSの数値が高いほど打者としての能力が高いといえます。
選手のチームへの貢献度や得点のきっかけをどれくらい作られているのかを数字で表す
野球のOPSとは、出塁率と長打率のことです。そのため、選手のチームへの貢献度や得点のきっかけをどれくらい作られているのかを数字で確認することができます。これは、どれくらいチームの得点に繋がったのかが分かる数値になっています。
攻撃面での目安になる
野球のOPSの数値が高いほど、その選手はチームに対して得点のきっかけを多く作っていることになるため攻撃面での目安になります。また、野球のOPSには7段階の格付けがあります。
OPSのランク |
評価 | OPSの範囲 |
A | 素晴らしい | .9000以上 |
B | 非常に良い | .8334~.8999 |
C | 良い | .7667~.8333 |
D | 並 | .7000~.7666 |
E | 平均以下 | .6334~.6999 |
F | 悪い | .5667~.6333 |
G | 非常に悪い | .5666以下 |
OPSの注意点
野球のOPSとは、選手のチームへの貢献度や得点のきっかけをどれくらい作られているのかを数字で確認することができます。ただし、OPSの注意点があります。それは、OPSは打者の特徴が分かる数値ではないということです。
野球のOPSとは、出塁率と長打率を合わせた数値になります。そのため、長打率は低いが出塁率が高い選手なのか、出塁率は低いが長打率が高い選手なのかは分かりません。
また、OPSは長打率が高い選手の方が高い数値になります。逆に出塁率が高い選手のOPSはそれほど高くはならない傾向にあります。よって、ホームランなどをよく打つ選手の方がOPSの数値は高くなるということです。
OPSと出塁率/長打率との関係
野球のOPSとは、出塁率と長打率のことです。そのため、選手のチームへの貢献度や得点のきっかけをどれくらい作られているのかを数字で確認することができます。ここでは、OPSと出塁率/長打率との関係について解説していきます。
OPSの計算方法
野球のOPSの計算方法についてみていきましょう。
OPS=出塁率+長打率
野球のOPSは、出塁率と長打率を合わせた数値になっています。そのため、どれくらい点に結びついたかを評価する際に用いられます。
よって、打率が高い選手であっても得点に繋がらなければOPSは低くなってしまいます。打率はあくまでも個人の成績であって、チームへの貢献度は表していないということです。
例えば、打率.300、出塁率.400、長打率.600の選手と、打率.400、出塁率.400、長打率.500の選手がいたとします。
この場合、打率でみれば.400の選手の方が能力が高いと考えてしまうかもしれません。しかし、OPSに関しては打率.300の選手が.1000、打率.400の選手は.900になります。よって、打率.300の選手の方がチームの得点に貢献しているということになります。
では、出塁率と長打率はどのようなことを表しているのでしょうか。それぞれみていきましょう。
- 出塁率=(安打+四死球)÷(打数+四死球+犠飛)
- 打率=安打数÷打数
打率はどれくらいのヒットを打ったのかが分かる数値ですが、出塁率はどれくらい塁に出たのかが分かる数値になっているということです。
- 長打率=塁打数÷打数
長打率とは、1打席あたりにおける塁打数の平均値を指しています。そのため、選手の長打力が分かる数値になっています。決して、長打を打つ確率ではありません。
また、塁打数は単打=1・二塁打=2・三塁打=3・本塁打=4で計算します。例えば、1打数、1安打、1本塁打の選手の場合は、塁打数である4を打数の1で割るため、長打率は4.000になります。
OPSの歴代ランキング1位は?
野球のOPSとは、選手のチームへの貢献度や得点のきっかけをどれくらい作られているのかを数字で確認することができます。では、OPSの歴代ランキング1位は誰なのでしょうか。ここでは、OPSの歴代ランキングについてみていきましょう。
王貞治
OPSの歴代ランキング1位は、王貞治さんです。王貞治さんの通算成績のOPSは1.080、シーズン成績のOPSは1.293を記録しています。OPSの最高ランクAの範囲は.9000以上になっていますので、それを遥かに超える素晴らしい成績になっています。
歴代ランキング
OPSの歴代ランキングを通算成績でみていきましょう。
ランキング | 選手名 | 所属球団 | OPS |
1位 | 王貞治さん | 読売ジャイアンツ | 1.080 |
2位 | 松井秀喜さん | タンパベイ・レイズ | .966 |
3位 | アレックス・カブレラさん | 福岡ソフトバンク | .990 |
4位 | 落合博満さん | 日本ハムファイターズ | .987 |
5位 | タフィ・ローズさん | 富山GRNサンダーバーズ | .940 |
6位 | 張本勲さん | ロッテオリオンズ | .9334 |
7位 | 中西太さん | オリックスブルーウェーブ | .9325 |
8位 | 小笠原道大さん | 読売ジャイアンツ | .929 |
9位 | ブーマー・ウェルズ | 福岡ダイエーホークス | .927 |
10位 | 松中信彦 | 福岡ソフトバンク | .925 |
OPSの歴代ランキングをシーズン成績でみてみましょう。
ランキング | 選手名 | 所属球団 | OPS | 記録した年 |
1位 | 王貞治さん | 読売ジャイアンツ | 1.293 | 1974年 |
2位 | ランディ・バースさん | 阪神タイガース | 1.258 | 1986年 |
3位 | 王貞治さん | 読売ジャイアンツ | 1.255 | 1973年 |
4位 | 落合博満さん | ロッテオリオンズ | 1.244 | 1985年 |
5位 | ウラディミール・バレンティンさん | 東京ヤクルトスワローズ | 1.234 | 2013年 |
6位 | 落合博満さん | ロッテオリオンズ | 1.232 | 1986年 |
7位 | アレックス・カブレラさん | 西武ライオンズ | 1.223 | 2002年 |
8位 | 王貞治さん | 読売ジャイアンツ | 1.211 | 1967年 |
9位 | 王貞治さん | 読売ジャイアンツ | 1.21 | 1966年 |
10位 | 王貞治さん | 読売ジャイアンツ | 1.204 | 1976年 |
OPSのまとめ
野球のOPSは、出塁率と長打率を合わせた数値になっており、どれくらい点に結びついたかを評価する際に用いられます。
その中でも、OPS歴代ランキング1位の王貞治さんの数値を上回った選手は現在もいません。このようにOPSによる数値に着目して野球を見てみると、これまでとは違う視点から楽しめるのではないでしょうか。