野球では守備側が失策(エラー)をしてしまうことがありますが、失策とはどのような意味で、どのような判断基準で判定されているのでしょうか。この記事では、野球での失策とはどのようなものなのか、失策にならないプレーとの違いについてなど解説します。
野球の試合では、守備側に失策(エラー)が記録されることがよくあります。野球でよくある失策とはどのような意味で、どのような場合に失策になるのでしょうか。
この記事では、野球の失策の詳細と、失策に見えても失策と記録されない場合のプレーとの判断基準について、詳しく解説します。
失策とは、守備側が確実に走者や打者に対してアウトを取れるプレーでミスをしてしまい、進塁や得点を許したときに記録されるものです。
エラーと失策とは同じ意味で、スコアボードにはエラー(error)の頭文字である「E」で記録されます。
具体的に、野球で失策が記録されるのは次のような場合です。
なお、ほぼ失策に見えるようなプレーでも、失策とは見なされないでヒットや単なるセーフと見なされる場合もあります。例えば次のようなプレーの場合です。数字は、上記の「失策(エラー)が記録される例」での数字です。
守備側のミスにより進塁や得点を許したとしても、失策とは記録されないプレーもあります。失策の対象とならない守備側のミスは次のとおりです。
また、次のような場合も失策にはなりません。
失策と勝ち負けやプロ野球のシーズン成績に相関はあるのでしょうか。野球は守備のときに3アウト取らないと自分たちの攻撃ができません。
失策が多くて相手に得点を与える機会が多いチームは負けてしまう事が多いでしょう。しかし、プロ野球のレベルになると、失策が多いチームが負けてばかりで弱いとは限りません。
例えば、2019年のパ・リーグ優勝チームである西武ライオンズは、シーズン中の失策数92でリーグ最多でした。一方、リーグ最下位であったオリックス・バファローズは失策数81とリーグ最少でした。
野球は攻撃と守備の総合力で戦うスポーツなので、高いレベルでは失策数の多さだけで勝ち負けや成績を見ることはできなくなります。
最後に、わざと失策する故意落球についても触れておきましょう。故意落球とは、捕れるはずの内野フライをわざと落とすプレーです。
走者がいる状態では、内野フライでは走者に進塁義務が発生しないので、打者しかアウトにできません。しかし、打球が地面に付けば走者に進塁義務が生じて、守備側は併殺を取りやすくなります。
内野フライでは1アウトしか取れませんが、併殺にできれば、1回の打席で2アウト取れることから、わざと内野フライを落球する行為が以前からよく見られました。
しかし、攻撃側が大きく不利になるプレーであることから、アメリカでは1975年に、日本では1976年に野球規則に故意落球のルールが登場したのです。
簡単に取れるはずの内野フライをわざと落とす故意落球と判定されたら、打者はアウトが即宣告されて、走者には進塁義務がなくなり、元いた塁へ戻されます。