【野球ルール】振り逃げとは?条件や記録について解説!

野球のルールをよく知らない人にとっての謎ルールに「振り逃げ」があります。三振したはずの打者が一塁に走ることができる振り逃げとはどのようなルールなのでしょうか。この記事では、振り逃げが成立する条件や、実際にあった振り逃げの実例を紹介します。

目次

  1. 1野球の振り逃げとは?三振なのに打者が一塁に走れるのはなぜ?
  2. ルールブックに振り逃げというルールは記載されていない
  3. 2三振でも振り逃げが成立する条件とは?
  4. キャッチャーが第3ストライクを正規捕球できなかった場合
  5. 無死一死の場合は1塁に走者がいないこと
  6. 二死の場合は一塁に走者がいても振り逃げが成立
  7. 打者が走塁を放棄していないこと
  8. 振り逃げが成立しない条件
  9. 3振り逃げはルール上はどのような記録になるのか?
  10. 4野球の試合で実際にあった振り逃げ
  11. 振り逃げ3ラン
  12. 走りすぎた振り逃げ
  13. 振り逃げからの逆転2ラン
  14. 大谷翔平の振り逃げからのウォードの2ラン

野球の振り逃げとは?三振なのに打者が一塁に走れるのはなぜ?

WBC2023での日本代表侍ジャパンの優勝などにより、野球の経験がなくても、野球に興味を持ってプロ野球や高校野球の試合などの観戦を始める方が増えてきました。

野球には経験のない素人には少し分かりにくいルールやプレイがいくつかあります。その中でも特に未経験の人には理解しにくいルールが振り逃げです。

振り逃げとは、打者が三振に倒れた時に、キャッチャーが球を取り損ねると、ある条件が成立していたら、打者がアウトにならずに一塁に走ってもいいというルールです

一塁ベースに球が到達する前に打者が一塁に到達すればセーフとなり、三振してもアウトにはなりません。

この記事では、振り逃げが成立する条件や、今までに実際の試合で見られた振り逃げについてみていきましょう。

ルールブックに振り逃げというルールは記載されていない

なお、試合の中継などでは「振り逃げ」という言葉がよく使われていますが、野球の公式ルールブックに「振り逃げ」という言葉は記載されていません。

その理由は、野球のルールを厳密に適用すると、振り逃げが可能になるためです。野球で守備側がアウトを取るためには、守備側がべき義務があります。その一つが、ストライクの時のキャッチャーの正規の捕球です。

ストライクである球をキャッチャーが正規に捕球できなかった時には、キャッチャーがアウトを取るべき義務を果たしていないと見なされるので、ストライクにはなってもアウトにはならずに振り逃げが可能になります

したがって、打者はアウトになっていないので一塁に進塁できるのです。

日本語では「振り逃げ」と言いますが、打者が見逃してバットを振っていなくても、キャッチャーが損ねた時には打者は一塁へ進塁できます。

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三振でも振り逃げが成立する条件とは?

キャッチャーが投球を取り損ねても、振り逃げが成立する時と成立しない時があります。振り逃げが成立するための条件についてみておきましょう。

キャッチャーが第3ストライクを正規捕球できなかった場合

振り逃げが成立するための条件の1つめが、キャッチャーが第3ストライクを正規捕球できなかった場合です。第2ストライクまではアウトにならないので、正規捕球できなくてもキャッチャーがアウトを取るための義務を果たしていないとはみなされません。

なお、正規捕球とはノーバウンドで捕球することです。投球がワンバウンドしたら、正規捕球にはならずに、第3ストライクであれば振り逃げできます。

ファウルチップの場合は?

バットに球が一度当たるファウルチップになった場合には、地面に球が落ちる前にキャッチャーが捕球できれば正規捕球とみなされます。第3ストライクの場合には、振り逃げできません。

ファウルチップが地面に落ちた場合にも通常のファウルとなるので振り逃げはできません。

無死一死の場合は1塁に走者がいないこと

振り逃げが成立するための条件の2つめが、無死または一死の場合には1塁に走者がいないことです。

無死または一死で一塁に走者がいた場合には、キャッチャーが第3ストライクを正規捕球できなくても打者は3ストライク1アウトが審判から宣告されます。

キャッチャーが正規捕球していないのに、振り逃げが成立しないのは攻撃側に不利になるように思えますが、この条件は攻撃側を守るための条件です。

もしも、無死または一死走者1塁で振り逃げを認めてしまうと、キャッチャーがわざと第3ストライクの球を落として併殺を狙う可能性が高まります。

この状況での振り逃げは攻撃側が併殺に倒れる可能性が高いことから、攻撃側を守るために、このような条件が定められています

二死の場合は一塁に走者がいても振り逃げが成立

なお、二死の場合には振り逃げで併殺になることはありません。そのために、二死走者1塁の場面の条件では振り逃げが成立します。

打者が走塁を放棄していないこと

振り逃げが成立する条件には、打者が走塁を放棄しないというのもあります。

打者が振り逃げの成立に気がつかずに、3ストライクの宣告だけで1塁に走らなかった場合には、ダートサークル(ホームベースの周りに描かれている円)から打者が出た時点でアウトが宣告されます。

ダートサークルから出る前に振り逃げに気がついて、1塁方向へ走り出せばセーフの可能性があります。

振り逃げが成立しない条件

なお、振り逃げになりそうな状況でも、振り逃げが成立しない場合というのがあります。振り逃げが成立しない条件もみておきましょう。

第3ストライクの球が打者に触れた場合

第3ストライクになった球が打者に触れた場合には、キャッチャーが球を取り損ねても振り逃げにはなりません。

変化球を空振りしたときなどに見られます。バットを振っていなければ死球になったはずの球を振って3ストライクとなったときには、キャッチャーが取れなくてもアウトが宣告されます。

スリーバント失敗

2ストライクの後のバントが失敗してファウルになった場合には、スリーバント失敗でキャッチャーが正規補給できたかどうかにかかわらず打者はアウトになります。

第3ストライクを空振り後に球が3塁ランナーに触れた場合

3塁走者がホームスチールを試みた場合に見られます。第3ストライクの球が、走者に触れた場合には、キャッチャーが捕球できなくても振り逃げは認められません。

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この記事のライター
元吉 馨
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