野球にはクローザー(抑え)と呼ばれる役割の投手がいます。クローザーとはどのような意味なのでしょうか。この記事では、野球のクローザーとはどのような役割で、歴代の名選手にはどのような選手がいたのか、どのような投球をしていたのかみていきましょう。
野球には9つのポジションがあります。9つあるポジションのうち、投手は先発・中継ぎ・クローザーと役割が細分化されています。
先発は試合の最初から投げる投手のことですが、中継ぎやクローザーはどうして必要なのかよく理解できないという人も多いようです。この記事では、野球の投手の中でも役割がよくわからないクローザーに焦点を当てて解説します。
野球のクローザーとは、野球の試合の終盤を抑える役割の投手のことです。特に、試合が勝っている時の終盤に、8回から9回で登板する投手のことをクローザーと呼びます。
野球は満塁ホームランで一気に4点が入るゲームなので、1点差や2点差程度では9回の裏に逆転されてしまうことも少なくありません。
相手チームの一発が出れば簡単に逆転されてしまうような際どい点差で勝っている試合の終盤に、点を取られないで確実に抑える役割の投手がクローザーです。
ストッパーとは、クローザーと全く同じ意味の言葉です。クローザーは英語の閉じるの意味の「close」に人を表す接尾後の「er」を付けて「closer」としたものです。メジャーリーグでも使われています。
ストッパーは「ストップ」から作ったクローザーと全く同じ意味の言葉ですが、日本でできた和製英語です。ですので、アメリカではストッパーと言っても意味が通じません。
リリーフ(Relief)とは、先発投手が降板した後に投球を引き継ぐ投手のことです。こまめに継投してクローザーまでつなぐこともあります。
昔は先発完投が当たり前だったので、リリーフやクローザーの役割はとても小さいものでした。しかし、現在では継投が当たり前になったことから、リリーフの役割も大きくなっています。
クローザーにとっては「セーブ」という記録がとても重要です。では、クローザーにとってのセーブ記録とはどのようなものなのでしょうか。
クローザーに付くセーブとは、試合の最後に僅差で勝っている状態で登板した投手が、同点にされたり逆転されたりすることなく、試合を最後まで投げきったときに付く記録をいいます。
具体的にセーブが認められるのは次の条件の場合です。
日本人で歴代の名クローザーを紹介します。
佐々木主浩さんは、1990年に東北福祉大学からドラフト1位で横浜ベイスターズに入団して、シアトル・マリナーズでもクローザーとして活躍しました。
150kmを超える速球とフォークボール、120km代のカーブも混ぜた投球は打者を翻弄し、クローザーとして登場すると打者が全く手を出せない状態だったようです。
クローザーとしての成績は、NPBで252セーブ、MLBで129セーブでした。
現在、ヤクルト・スワローズで監督として活躍している高津臣吾監督も、現役時代はクローザーとして活躍していました。
1991年に亜細亜大学からドラフト3位でヤクルトに入団して、ホワイトソックスやメッツでもクローザーとして活躍しています。
ストレート、カーブ、スライダー、シュートといった多彩な球種に、遅いシンカーを混ぜた投球は打者を翻弄してセーブの山を築き上げ、クローザーとしての成績は、NPBで286セーブ、MLBで27セーブでした。
岩瀬仁紀さんは、日本のプロ野球において、最多登板1002登板と通算セーブ記録407セーブの両方の記録を持っている日本最強クローザーです。
1999年に愛知大学からドラフト2位で中日ドラゴンズに入団して、中日の中継ぎエースやクローザーとして活躍しました。
決め球は「死神の鎌」と呼ばれる、打者の膝下に食い込むスライダーでしたが、他にもスリークォーターから投じる最速149kmのストレートで打者を翻弄しました。