プロ野球には育成選手という制度がありますが、支配下登録選手とはどのような点が違うのでしょうか。この記事では、育成選手とは背番号や年俸、契約金、選手の獲得方法などどのようなルールで運用されているのか、また育成出身からスターになった選手を紹介します。
プロ野球には育成選手制度というものがあります。育成選手とはプロ野球の中でどういうのような位置付けの制度なのでしょうか。この記事では、プロ野球の育成選手制度について解説します。
育成選手制度とは、プロ野球球団が契約できる選手の人数を支配下登録70人よりも広げるための制度です。
育成選手制度が始まる前は、1991年まで練習生制度というものがあり、支配下登録60人を超えて契約する選手は練習生としてチームの練習に参加していました。
しかし、練習生制度を使って有望な選手を球団職員として囲い込む事例が相次いだことから、1992年に練習生制度は廃止されて、支配下登録人数が70人に拡大されたのです。
その後、プロ野球へ即戦力選手を数多く輩出してきた社会人野球が相次いで廃部されて、学生の時にはドラフトにかからなかったものの、社会人になってから力をつける遅咲きの選手が野球を続けられる環境が減少してしまいました。
そこで、将来の有望な若手選手を育成選手として育てるという観点で、2005年に準支配下登録選手制度が開始されて、各球団とも支配下登録70人を超える選手を育成選手として獲得できるようになったのです。
育成選手と支配下登録選手の違いとはどのような点にあるのかみていきましょう。
支配下登録選手の背番号は0から99までの1桁もしくは2桁の数字です。
育成選手の背番号は3桁と決まっています。ただし、打撃投手などの職員も3桁なので、巨人の育成選手は0から始まる3桁、中日の育成選手は200番代と、育成選手とわかる数字を決めている球団もあります。
プロ野球では選手の年俸の下限が決められています。その金額は支配下登録選手と育成選手で異なります。支配下登録選手の年俸の下限は420万円、育成選手の年俸の下限は240万円です。
新しく球団と契約するときの契約金は、支配下登録選手は新卒選手で最高額1億円プラス出来高5,000万円で支払われます。この金額は選手の技量などによって異なります。
育成契約の選手には契約金はなく、その代わり初めて育成契約でプロ野球選手になる育成選手には支度金300万円が支払われます。
支配下登録選手は1軍の試合に出場することができます。育成選手は2軍の試合に5人までしか出場することができません。
育成選手を多く抱えているチームは、巨人と広島は3軍まで、ソフトバンクは4軍まで作って、社会人や独立リーグなどとの練習試合などで試合経験を積ませています。
育成契約から支配下登録にシーズン中に契約を切り替えることができます。シーズン中に育成契約から支配下登録にできるのは7月末までです。
プロ野球球団が育成選手を獲得する方法は3つあります。
毎年10月末頃に行われるドラフト会議では、支配下登録選手の指名が終わった後に、育成ドラフトが行われます。育成ドラフトで各球団が育成契約を希望する選手を指名します。
なお、育成契約制度は若手有望選手を見出して、社会人としてのマナーなどを身につけさせながら育てることを目的としているので、社会人選手の指名はできません。
他球団を自由契約になった選手を育成選手として獲得することができます。現役を希望する選手が育成契約で入団するケースが多いようです。
また、怪我などで長期離脱する選手を支配下登録から育成契約に切り替えることもあります。
外国人選手は特に獲得のルールなどはなく、育成選手として契約できます。
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