【プロ野球】マジックの意味や点灯の条件は?計算方法や最速記録など簡単に解説!
プロ野球ではシーズンの後半戦に入る頃に優勝の可能性が出てきたチームにマジックが点灯します。プロ野球のマジックとはどのような意味があるのでしょうか。この記事では、プロ野球のマジックについて計算方法や点灯や消滅する条件などを解説します。
目次
プロ野球のマジックの意味とは?簡単に解説!
プロ野球ではシーズンの後半戦になると、優勝の可能性が出てきたチームにマジックが点灯します。プロ野球のマジックとはどのような意味なのでしょうか。この記事では、マジックの意味や計算方法について解説します。
他チームの自力優勝の可能性がなくなったときに優勝までの勝利数
日本のプロ野球でよく使われるマジックとは、他のチームの勝敗に関係なく、チームが勝てば必ず優勝できる勝利数を意味します。
同じリーグで優勝を争っている他の5チーム全てに自力優勝の可能性がなくなり、自分のチームが勝ちさえすれば優勝できる状態になった時に点灯するのがマジックです。
セ・リーグ、パ・リーグともに、他の5チームは残り試合を全て勝ったとしても、特定のチームにマジックが点灯している状態では、自力優勝はできません。
マジックが点灯したからといって、必ずしも優勝が確定したとはいえません。しかし、他チームの自力優勝はなくなったということで、マジックが点灯すれば優勝の可能性はかなり高まります。
そのために、地域に密着しているプロ野球チームであれば、マジック点灯の段階で街中から喜びの声があふれます。
マジックの言葉の由来
他のチームの自力優勝が消えて、自チームが勝ちさえすればいい状態になったときに点灯するのがマジックですが、マジックという言葉の由来はどのようなものなのでしょうか。
マジックの由来は、ビンゴゲームのマジックナンバーが由来だという説があります。プロ野球のマジックも、本来は「マジックナンバー」というのだそうです。
ビンゴゲームでは、あと1つ数字が揃えばビンゴになる状態、つまりリーチのときにビンゴになる条件の数字をマジックナンバーといいます。
マジックナンバーが絶対に出てほしいと祈るような気持ちで、残り試合これだけ勝ってほしいと祈ることから、スポーツでマジックという言葉が使われるようになりました。
なお、日本ではマジックを使うのはプロ野球だけですが、海外ではマジックが他のスポーツでも使われているようです。
マジックの計算方法と条件
マジックの計算方法や、点灯や消滅の条件とはどのようなものなのでしょうか。マジックの詳細についてみていきましょう。
マジックの計算方法
マジックを計算するときにはマジック対象チームと比較して計算します。マジック対象チームとは、マジックが点灯しているチーム以外で残り試合を全勝したときに勝率が最も高くなるチームです。
通常はマジック対象チームは2位チームですが、残り試合数などの条件によって3位チームや4位チームがマジック対象チームになることもあります。
マジックの計算方法は次のとおりです。
(マジック対象チームの勝利数 + 残り試合数) - (マジック点灯チームの勝利数) + 1 = 優勝マジック
例を上げて計算してみましょう。
マジック点灯チーム:勝利数85 残り試合数8
マジック対象チーム:勝利数80 残り試合数9
(80勝利数 + 9残り試合) - 85勝利数 + 1 = 優勝マジック5
この状態においては、優勝マジックが点灯しているチームは残り8試合中5試合勝てれば、他のチームの勝敗にかかわらず優勝できる状態です。
マジックの点灯条件
プロ野球でマジックが点灯する条件とは、他のチームの自力優勝が消えることです。他のチームが残り試合全部に勝ったとしても、優勝できない状態になったときに、優勝マジックが点灯します。
マジックが減る条件
マジックが点灯したチームは、優勝マジックが減っていけば優勝が近づきます。優勝マジックはマジック点灯チームが勝てば減っていきますが、試合がなくても減ることがあります。どのような条件でマジックが減っていくのかみておきましょう。
- マジック点灯チームもマジック対象チームも勝ったときにはマジックは1つ減る
- マジック点灯チームもマジック対象チームも負けたときにもマジックは1つ減る
- マジック点灯チームもマジック対象チームも引き分けたときにはマジックは1つ減る
- マジック点灯チームが勝ち、マジック対象チームの試合がなかったときにはマジックは1つ減る
- マジック点灯チームの試合がなく、マジック対象チームが負けたときにはマジックは1つ減る
- マジック点灯チームが勝ち、マジック対象チームが負けたときにはマジックは2つ減る
マジックは、マジック点灯チームが勝てば無条件で減っていきますが、引き分けだったり試合がなかったりしても、マジック対象チームの試合結果などによっては減っていきます。
マジックの消滅とは?
マジックは一度点灯しても消滅することもあります。マジックは点灯した数だけ勝てば優勝できるという数字なので、マジック点灯チームの負けが多くなれば消滅してしまうのです。
事実、マジックが点灯しても、その後逆転を許して優勝できなかったチームも過去にはあります。
マジックが点灯するチーム数は?
マジックは同じリーグ内で2チーム以上に点灯することはありません。マジックが点灯するのは、セ・リーグ、パ・リーグともに1チームだけです。
マジックが付くのは1位のチームだけ?
マジックは1位のチームに点灯することが多いのですが、シーズンの終盤になり残り試合が少なくなってくると、その時点の勝率1位のチームに点灯するとは限りません。
例えば、1位と2位の差が1ゲーム、1位チームの残り試合数3、2位チームの残り試合数6といった場合、どちらも残り試合を全勝すれば、2位チームが逆転優勝します。
このような場合には、その時点の2位チームにマジックが点灯する可能性もあるのです。
プロ野球でのマジックについての記録
プロ野球ではマジックについて今までに様々な記録が生まれています。プロ野球でこれまでに生まれた記録についてみていきましょう。
最速マジック点灯記録
プロ野球で最も早くマジックが点灯した記録は、1965年の南海ホークス(現在のソフトバンクホークス)です。7月6日にマジックが点灯しました。
この年の南海ホークスは、開幕から本拠地の大阪球場での19連勝、ビジターも含めた連勝は17連勝も記録するなど、シーズン開幕から連勝を積み重ねました。
マジック点灯直後の7月7日までの勝敗は59試合消化時点で50勝9敗と圧倒的なペースで勝ち進んでおり、プロ野球最速のマジック点灯を記録しています。
なお、セ・リーグのマジック点灯最速は2003年の阪神タイガースの7月8日です。この年の阪神は、第三次ダイナマイト打線と呼ばれる強力な打線が爆発して、開幕から勝利を重ねました。この年には18年ぶりのリーグ優勝を果たしています。
優勝を逃したチームのマジック点灯最速記録
マジックは点灯しても、その後で負けが込むと消滅することもあるのは解説した通りです。
マジックが点灯したものの優勝できなかったチームの、マジック点灯最速記録もあります。
優勝できなかったチームのマジック点灯最速記録は、2008年の阪神タイガースで、7月22日にマジック46が点灯しました。
この時点で87試合消化で57勝29敗1分け、2位の巨人には11.5ゲーム差をつけての独走状態だったのですが、7月20日以降の57試合で25勝30敗2分けと惨敗し、巨人に猛烈に追い上げられて優勝を譲ることになり、この年は阪神にとって「悪夢の年」ともいわれています。
この年、阪神が失速した理由は、北京オリンピックで日本代表4人、オーストラリア代表1人と主力5人が8月に抜けたためでした。8月に5連敗すると、その後チームを立て直すことができずに、屈辱的な11.5ゲーム差をひっくり返されるという状況になってしまったのです。
自力優勝消滅最速記録
マジックの点灯には他のチームの自力優勝消滅がとても大切な要素になります。
自力優勝消滅の最速記録は1955年の大映ユニオンズ(現在の千葉ロッテマリーンズ)です。開幕から27試合目での自力優勝消滅でした。
次に早かったのは2008年の東北楽天イーグルスです。この年には、31試合目で自力優勝が消滅しました。
2005年に球団が設立されてから、徐々にチームとして力を伸ばし始めていた時期ですが、2008年は開幕戦からの4連敗などがありました。