野球の守備ポジションの役割や背番号の意味は?日本語・英語での読み方も
野球は守備位置のレフトやショート、サードなどのポジションがあり、それぞれに意味や役割があります。この記事では、野球の守備位置のポジションごとの役割や適正、日本語と英語でそれぞれどのように表記されるのか、詳しくみていきましょう。
目次
野球の守備位置のポジションを理解しよう!
野球は日本を代表するスポーツだともいわれていて、プロ野球だけでなく甲子園を始めとする高校野球にも多くのファンがいます。
2023年はWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で日本が優勝して、ニュースでも大きく取り上げられました。それがきっかけで野球に興味を持った人も多いのでないでしょうか。
ですが、野球経験がない人にとって、野球観戦にはいろいろとわからないこともあるでしょう。今回は野球の知識でぜひ覚えておくとよい9つのポジションについて解説します。
野球は守備のときの守備位置のポジションが9つあり、それぞれ役割が異なります。それぞれのポジションが野球でどのような意味があるのかみていきましょう。
ポジションと背番号の関係について
野球の守備位置のポジションと背番号の関係について最初にみておきましょう。プロ野球と小学生の少年野球では、背番号と守備位置のポジションに関係はありません。ただし、少年野球では10番が主将と決められているリーグも一部あります。
中学野球と高校野球では、ポジションごとに背番号が1番から9番まで付けられる事が多いようです。ですが、必ずしも背番号に対応するポジションに就かなくても問題ありません。
また、野球の試合ではスコアボードなどに守備番号としてポジションを表すため、番号だけが表示されることもあります。
また、中学野球と高校野球のチームでは、1番から9番までの背番号はレギュラーの番号で、10番以降は補欠です。しかし、10番以降の選手がスターティングメンバーとして試合に出る場合もよくあります。
野球の守備位置のポジション詳細
野球では守備位置のポジションごとにどのような意味や役割があるのでしょうか。野球の守備位置のポジションごとの意味と役割について詳しくみていきましょう。
投手(ピッチャー)
ピッチャーは野球で打者に対してボールを投げる役割をする守備位置となります。ピッチャーの守備位置は、内野の真ん中にあるマウンド上です。
日本語・英語表記
日本語表記は「投手」もしくは「ピッチャー」です。英語表記は「pitcher」で、スコアボード表示などでは英語の略字である「P」と表示されます。
背番号
中学野球や高校野球でピッチャーに付けられる背番号や、スコアボードなどに表示される守備番号は「1」です。
意味と役割
野球でのピッチャーの役割は、内野の真ん中に設置されたマウンドから打者に対してボールを投げることです。
野球の試合は投手の能力によって7割から8割が決まるともいわれており、野球ではもっとも重要なポジションだといわれます。
ピッチャーはただ単にボールを投げるだけでなく、打者を出塁させないことや、走者を生還させないことも必要です。そのために、塁上にランナーがいるときには、走者をアウトにするための牽制球を投げる判断力も求められます。
もしも投げたボールが打たれてしまったときには、5人目の内野手として守備も行います。
必要な能力と適正
ピッチャーの役割は、打者に向かったボールを投げる、ランナーを牽制する、打たれたら守備をするの3つがあります。
この3つの中でもっとも重要な役割は最初に打者に向かってボールを投げることで、ストライクゾーンに正確に、打者が打ちにくい強いボールを投げる能力が最も重要です。
また多少、相手に打ち込まれることがあっても、そのショックを引きずらずに次の投球を平常心で続けられるようなメンタルの強さもあった方いいでしょう。
ピッチャーに求められる適正とは、強いボールをコントロールよく投げられることや、メンタルの強さ、また打たれたときには最も強い打球が飛んでくる守備位置なので、反射神経の良さた的確なボール処理ができる器用さも必要です。
捕手(キャッチャー)
次にキャッチャーです。キャッチャーは防具をつけてピッチャーに向かって座り、ピッチャーが投げたボールを受け取る役割をするポジションとなります。キャッチャーの守備位置は、ホームベースの後ろに設けられたキャッチャーボックスです。
日本語・英語表記
日本語表記は「捕手」もしくは「キャッチャー」です。英語表記は「catcher」で、スコアボードなどでは英語での略字「C」が表示されます。
背番号
中学野球や高校野球でキャッチャーに付けられる背番号や、スコアボードなどに表示されるポジションの守備番号は「2」です。
意味と役割
キャッチャーのポジションの役割は、ピッチャーの投球を受け取ることです。打者の特性や試合の流れから、次にピッチャーが投げるべきボールの種類やコースを判断してサインを送るのも、多くの場合はキャッチャーの役割となります。
ピッチャーを支える事が多いことから、キャッチャーは「女房役」と呼ばれることも多いです。また、野球の守備位置の中では、唯一フェアグラウンドの方を向いているポジションで「扇の要」とも呼ばれます。
全体を見渡せるポジションであることから、守備の全体の司令塔としての役割も必要です。
必要な能力と適正
キャッチャーのポジションに必要な能力とは、まずはピッチャーの投球を受けられる捕球力です。
また、一塁から二塁に走塁されたときに本塁から牽制球を投げられる肩の強さや、ピッチャーに投球するべきボールを指示したり、全体の守備について判断できたりする、冷静な思考力も求められます。
守備の巧さだけでなく、冷静さもあると良い守備位置のポジションです。
一塁手(ファースト)
ファーストについてみていきましょう。ファーストは一塁(ファーストベース)周辺を守る役割をするポジションとなります。ファーストの守備位置は、一塁ベースから少し後方に離れた位置です。
日本語・英語表記
日本語表記は「一塁手」もしくは「ファースト」です。英語表記は「first baseman」で、スコアボードなどでは英語の略字である「1B」と表示されます。
背番号
中学野球や高校野球でファーストに付けられる背番号や、スコアボードなどに表示される守備番号は「3」です。
意味と役割
ファーストのポジションの最も大切な役割は、バッターが打ったときに、他のポジションからの送球を受けて、一塁でアウトにすることです。また、一塁にランナーがいるときには、ピッチャーからの牽制球を受けることもよくあります。
他の内野のポジションと比較すると、それほど強い打球が飛んでくるポジションではありません。また、他の塁に送球する機会もセカンドやサードと比較すると少ないのがファーストのポジションです。
必要な能力と適正
ファーストのポジションで最も必要な能力は、確実に他のポジションからの送球をキャッチして、バッターを一塁でアウトにすることです。一塁でのアウトはフォースプレーなので足を一塁ベースに付けたまま、どのような送球でも受けられることも求められます。
他のポジションと比較すると求められる守備範囲が狭いために、プロ野球では他のポジションが難しくなったベテランのコンバート先とされることが多いのですが、アマチュアでは最も守備能力が求められるポジションです。
他のポジションからの送球を確実にボールをキャッチできる高い捕球力や、コースを外れた送球を身体を伸ばしてキャッチできる柔軟性があるといいでしょう。
二塁手(セカンド)
セカンドについてみていきましょう。セカンドは二塁(セカンドベース)周辺を守る役割をするポジションとなります。セカンドの守備位置は、一二塁間を中心とした投手の後方の位置です。
日本語・英語表記
日本語表記は「二塁手」もしくは「セカンド」です。英語表記は「second baseman」で、スコアボードなどでは、英語の略字である「2B」が表示されます。
背番号
中学野球や高校野球でセカンドに付けられる背番号や、スコアボードなどに表示される守備番号は「4」です。
意味と役割
セカンドのポジションの最も大切な役割は、ショートと連携して投手の後方を守ることです。セカンドはバッターが打ったボールが最もよく飛んでくるセンターラインの守備を形成する、守備では重要なポジションの一つとなります。
セカンドの守備範囲は状況によって大きく変わり、センターの前からファーストの後方までがセカンドが担当する守備範囲です。
また、セカンドの選手にはバントの時の一塁ベースカバー、併殺時の二塁ベースカバーなど、多くの役割が求められるポジションでもあります。
必要な能力と適正
セカンドは打球に対して素早く反応して打球を処理したり、必要なカバーに入ったりする判断力が求められるポジションです。守備範囲は広いので俊足であることも求められます。
セカンドは守備位置が一塁に近いので、ショートやサードほどの強肩は求められません。しかし、外野からのバックホームの中継をすることもあるので、肩が弱すぎるのもセカンドとしての適性があるとはいえないでしょう。
打球に対して素早く反応してボールを処理できる守備能力や、的確な判断力が必要なポジションがセカンドです。
三塁手(サード)
サードについてみていきましょう。サードは三塁(サードベース)周辺を守る役割をするポジションとなります。サードの守備位置は、三塁ベースの横の位置です。
日本語・英語表記
日本語表記は「三塁手」もしくは「サード」です。英語表記は「third baseman」で、スコアボードなどなどに表示される場合は、英語の略字「3B」で表します。
背番号
中学野球や高校野球でサードに付けられる背番号や、スコアボードなどに表示される守備番号は「5」です。
意味と役割
サードのポジションの最も大切な役割は、右バッターが放つ強烈な三塁線への打球を捕球して、一塁に確実に送球することです。
ショートよりもホームベースに近い位置で捕球するために、右の強打者が放つ強いゴロを処理することが最も多いポジションとなります。
サードのポジションでの守備範囲は、本塁から三塁周辺への三塁線からショート手前までのファールゾーンを含めた範囲です。
必要な能力と適正
サードのポジションでは、三塁線の強い打球を確実に捕球して一塁に送球できる守備力と強肩が求められます。また、三塁線へのセーフティバントもよく行われるので、バント処理能力も必要です。
バント処理能力が低いサードだと攻撃側に判断されたら、セーフティバントをどんどんと仕掛けられてしまいます。
サードのポジションは、強い打球を怖がらずに処理できる勇気と守備能力があり、一塁への送球もできる強肩で、バント処理もこなせる器用さも必要です。
サードの守備範囲はセカンドやショートほど広くはないので、俊足はあまり求められません。
遊撃手(ショート)
ショートについてみていきましょう。ショートは内野の二塁と三塁の中間を守る役割をするポジションとなります。ショートの守備位置は、セカンドとサードの間の位置です。
日本語・英語表記
日本語表記は「遊撃手」もしくは「ショート」となります。英語表記は「Shortstop」で、スコアボードなどに表示される英語での略字は「SS」です。
背番号
中学野球や高校野球でショートに付けられる背番号や、スコアボードなどに表示される守備番号は「6」です。
意味と役割
ショートが日本語で「遊撃手」となったのは、日本に野球が入ってきた明治期です。最初は正岡子規が英語の「ショート(短い)・ストップ(遮る)」を直訳して「短遮(たたん)」と訳しました。
しかし、教師の中馬庚が、ショートの広い守備範囲は、まるで軍隊であちらこちらを動き回って活躍する遊軍のようだとして「遊撃手」という名称を付けたそうです。
ショートの役割は幅広く、投手や三塁手のバックアップや二遊間、三遊間後方のフライ処理など、最も守備機会が多いポジションであり、守備の花形とも呼ばれます。
内野の三塁側で深い位置からの一塁への送球が多いために、高い守備能力の他の強肩も求められるポジションです。
必要な能力と適正
三遊間はゴロもフライも最も打撃が飛んできやすいポジションです。そのために、ショートではゴロの処理もフライをキャッチする能力もどちらも高い能力が必要です。
特にゴロの処理は重要で、内野安打になりやすい三遊間のゴロを確実にさばいて一塁でアウトにできる、捕球能力と強肩がないと務まりません。
また、守備範囲は内野の中で最も広いので、俊足で機敏であることも求められます。
左翼手(レフト)
レフトについてみていきましょう。レフトは外野の本塁から見て左側を守る役割をするポジションとなります。レフトの守備位置は、外野のレフトファールゾーンからセンターまでの位置です。
日本語・英語表記
日本語表記は「左翼手」もしくは「レフト」となります。英語表記は「Left fielder」で、スコアボードなどに表示される英語での略字は「L」です。
背番号
中学野球や高校野球でレフトに付けられる背番号や、スコアボードなどに表示される守備番号は「7」です。
意味と役割
レフトの役割は、本塁から見て外野の左側の守備を担うことです。レフトは全体として野球では多数の右バッターのフライがよく飛んでくるポジションで、フライの処理が主な役割となります。
また、サードやショートが取れなかった三塁線の鋭い打球を処理することも多いです。三塁への送球が逸れた場合のバックアップの役割もこなします。
必要な能力と適正
レフトは野球のレベルによって求められる能力が変わってくるポジションです。少年野球や草野球では、右バッターが多く、レフトには頻繁にフライが飛んでくるので、打球処理の回数が他のポジションよりも多くなるので、高い守備能力が求められます。
また、少年野球では外野が狭く、ショートゴロも一塁でアウトにできる可能性が高まるので、守備能力が高く強肩の選手が充てられることも多いようです。
一方、高校野球以上のレベルになると左打者が多くなり、右方向への打球を意識するようになるので、レフトの守備機会はレベルが上がるにつれて少なくなります。
そのために、プロ野球では打撃能力が高く守備能力が低いスラッガータイプやベテラン選手がレフトに宛てられることが多くなるようです。
しかし、打球には強いドライブかかっているのでアマチュアには守備負担が軽いポジションではありません。守備能力の高い選手がおすすめです。
中堅手(センター)
センターについてみていきましょう。センターは外野の本塁から見て中央部分を守る役割をするポジションとなります。センターの守備位置は、外野のレフトとライトに挟まれた位置です。
日本語・英語表記
日本語表記は「中堅手」もしくは「センター」となります。英語表記は「Center fielder」で、スコアボードなどに表示される英語での略字は「CF」です。
背番号
中学野球や高校野球でセンターに付けられる背番号や、スコアボードなどに表示される守備番号は「8」です。
意味と役割
センターは、内野のセカンドとショートの後方に位置するポジションで、センターラインを形成するポジションの一つです。外野では最も打球が飛んでくるポジションなので守備機会が外野で最も多くなります。
チーム事情によってはレフトかライトに守備能力があまり高くない人が入ることがあるので、センターが必要に応じて両翼のバックアップもします。
また、キャッチャーからの二塁牽制球が後ろに逸れた時のバックアップも必要です。外野では最も多くの役割をこなすポジションとなります。
必要な能力と適正
センターに必要とされる能力は俊足です。広い外野を打球を追って走る距離が最も長いのがセンターなので、とにかく足の速さが必要です。
守備能力も必要ですが、両翼と比べるとそれほど打球に回転がかからない素直なボールが多いので、ボールに追いつければそれほどキャッチは難しくないという声もあります。
センターは外野の最も深いところからバック・ホームすることも多いので強肩もあるといいのですが、プロでもセカンドに中継してもらうことも多く、強肩は必ずしもセンターの必須能力ではありません。
右翼手(ライト)
ライトについてみていきましょう。ライトは外野の本塁から見て右側を守る役割をするポジションとなります。ライトの守備位置は、外野のライトファールゾーンからセンターまでの位置です。
日本語・英語表記
日本語表記は「右翼手」もしくは「ライト」となります。英語表記は「Right fielder」で、スコアボードなどに表示される英語での略字は「RF」です。
背番号
中学野球や高校野球でセンターに付けられる背番号や、スコアボードなどに表示される守備番号は「9」です。
意味と役割
ライト方向には難しい打球がたくさん飛んできます。右バッターのライン側に切れていく流し打ちや、左バッターの強いライナーなどを素早く判断して処理することが必要です。
また、ライトでもっとも重要な役割は、ランナーの三塁への進塁を阻止することなので、二塁走者がライトフライでのタッチアップからの進塁や、ライトヒットの単打からの一塁走者の三塁への進塁を阻止する役割が求められます。
それ以外にも、一塁もしくは二塁への送球が逸れた場合のバックアップに入ることも多く、試合中の運動量は野球の他のポジションと比べると最も多いポジションです。
必要な能力と適正
レベルの低い少年野球や草野球では、ライト方向に外野まで打球を飛ばせるほどの右バッターが少ないので、ライトは守備機会が少なく、最も守備が苦手な選手がライトのポジションに就くことが多いようです。
ライトで打順8番は、最も下手な選手のポジションとみなされている場合もあるでしょう。しかし、レベルが上がるにつれて左打者の強力な打球が飛んでくるようになり、高い守備能力と、三塁やホームでランナーを刺せる強肩が求められるようになります。