大谷翔平選手は2023年の年俸が大幅にアップするといわれており、日本とアメリカで注目されています。大谷翔平選手の年棒はどのように推移しているのでしょうか。この記事では2023年度の年俸やこれまでの年俸の推移について解説します。
今、日本とアメリカで大谷翔平選手を知らない人はいないでしょう。大谷翔平選手は23歳で海を渡り、メジャーリーグの舞台で新たな野球人生をスタートさせ、今ではタイム誌の「世界で最も影響力のある100人」の「アイコン」のカテゴリーで選出されるまでになりました。
2021年度シーズンは「大谷翔平イヤー」となり、野手としては打率.257、46本塁打、100打点、投手としては9勝2敗、防御率3.18、156奪三振という前人未踏の記録を打ち立て、アメリカン・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出されました。
活躍すれば高額年俸を手に入れられるのがアメリカです。大谷翔平選手は2023年オフにフリーエージェントになります。
多くの人が気になっているのは、すべての球団が獲得を望んでいるといわれる大谷翔平選手にどれくらいの巨額の年俸契約が提示されるかということでしょう。まずは、大谷翔平選手のここまでの年俸推移を紹介します。
大谷翔平選手は、2012年度の高校ドラフトで北海道日本ハムファイターズから1位指名を受け入団し、その後5年間「二刀流」を武器に北海道日本ハムファイターズの一員として活躍しました。
入団当初の年俸はかなり低いもので、現在の年俸とは比べものになりません。下の表は北海道日本ハムファイターズ時代に大谷翔平選手が獲得した年俸推移をまとめたものです。
年度 | 年俸 |
2013年 | 1500万円 |
2014年 | 3000万円 |
2015年 | 1億円 |
2016年 | 2億円 |
2017年 | 2億7000万円 |
大谷翔平選手は、2017年にポスティングシステムを使いメジャーリーグへの挑戦を表明します。
大谷翔平選手に興味を持ったメジャー球団は数多く、ニューヨーク・ヤンキースやボストン・レッドソックスなど、選手に高額年俸を支払うことで有名な球団も含まれていました。
しかし、大谷翔平選手は高額年俸にはあまり関心がなかったようで「二刀流」を実現できる球団を優先しました。
その結果アメリカ西海岸沿いを中心とする7球団に絞り、最終的にロサンゼルス・エンゼルスと年俸契約を結びます。
では、ロサンゼルス・エンゼルスで大谷翔平選手がここまで獲得した年俸の推移をみていきましょう。年俸はアメリカドルで公開されているので、1円135円として計算し日本円での年俸金額と推移も記載します。
年度 | 年俸 |
2018年 | 54万5000ドル(7357万5000円) |
2019年 | 65万5000ドル(8775万円) |
2020年 | 70万ドル(9450万円) |
2021年 | 300万ドル(4億500万円) |
2022年 | 550万ドル(7億4250万円) |
入団当初の年俸は低かったものの、大谷翔平選手は北海道日本ハムファイターズ在籍時から投手また打者として確かな成績を残し、日本での最終年の年俸はプロに相応しいものでした。
そのため、メジャーデビュー初年度の年俸が7357万5000円というのはかなり安い金額といえるでしょう。
北海道日本ハムファイターズの最終年俸は2億7000万円なので、メジャーでの年俸はほぼ3分の1になりました。
2022年度の年俸は7億4250万円に跳ね上がったものの、昨年度の活躍と成績が正しく評価されれば、もっと好条件の年俸契約を提出されても全く不思議ではないため、安い年俸のままだといわざるをえません。
アメリカン・リーグ最優秀選手(MVP)に輝いた大谷翔平選手の年俸7億4250万円が成績に対して安いのかを検証するため、メジャーリーグで活躍するほかの日本人選手を比較してみましょう。
大谷翔平選手のように、ポスティングシステムを使ってメジャーリーグに活躍の場を移した日本人の野球選手は何人もいます。
これから野手3人、投手4人をピックアップして、メジャー初年度の年俸と大谷選手の初年度の年俸との差額を紹介し、大谷翔平選手の年俸がいかに安いかをみてみましょう。
選手名 | 初年度の年俸 | 大谷翔平選手との年俸の差額 |
イチロー | 約6億9000万円 | 6億8264万2500円 |
松井秀喜 | 約7億円 | 6億9264万2500円 |
鈴木誠也 | 約8億3000万円 | 7億5642万5000円 |
松坂大輔 | 約8億6000万円 | 7億8642万5000円 |
ダルビッシュ有 | 約5億5000万円 | 4億7642万5000円 |
田中将大 | 約22億円 | 21億62642万5000円 |
菊池雄星 | 約11億円 | 10億2642万5000円 |
海を渡りメジャーデビューをした多くの日本人選手のメジャー初年度年俸が5億円以上であるにもかかわらず、大谷翔平選手の年俸がわずか7357万5000円と考えられないほど安いことには、メジャーリーグの労使協定が深く関わっています。
労使協定では、メジャーリーグでアメリカ出身の選手と同じ立場で年俸契約を結ぶには、25歳以上でなければならず、さらに自国でプロ野球選手としての経験が6年以上必要です。
この規約に該当しない選手は、インターナショナル・ボーナス・プールでの契約対象外となるため、安い年俸に抑えられてしまい、さらにマイナー契約としての年俸しか締結できません。
大谷翔平選手は入団当時23歳で日本での野球経験が5年しかなかったため、安い年俸契約しか結べなかったということです。
メジャーリーグでのプロ野球人生をスタートした当初は安い年俸に甘んじていた大谷翔平選手ですが、状況は一変しました。
現在27歳になり、プロ野球選手として日米通算で9年間プレーしたため、メジャーリーグの労使協定の壁はすでにクリアし、高額年俸が締結できます。
さらにプロ野球のレジェンドであるベーブ・ルースさん以来誰も成し遂げられなかった、「二刀流」を日本人として成し遂げました。
加えてホームラン王のタイトルに手が届くほどの成績とアメリカン・リーグ最優秀選手(MVP)に選出されたため、大谷翔平選手の「株」と年俸予想は急上昇しています。
2023年にフリーエージェントの権利を獲得する大谷翔平選手に対して、所属するロサンゼルス・エンゼルスや獲得を望む他球団はどれほどの年俸契約を提示するのでしょうか。
次は、大谷翔平選手の適正年俸がいくらになるのかを論理的に算定する方法を紹介します。
「セイバーメトリクス」とは、選手の評価を数値化して統計学的な見地から客観的に選手を分析する手法のことです。
「セイバーメトリクス」では、野球の勝敗を左右する得点に関係した数値が重視されます。打者であれば出塁率の高さ、選球眼のよさ、長打力の高さ、俊足、すべての数値が高ければと選手としての評価も上がります。
投手の場合に重視されるポイントは、フォアボール率の低さ、奪三振率の高さ、被本塁打率の低さ、被長打率の低さです。
プロ野球選手の評価は「セイバーメトリクス」だけで行われるわけではありません。「セイバーメトリクス」をベースにした「WAR」という指標によって、選手の評価価値が出されます。
「WAR」とは選手の球団への貢献度を「セイバーメトリクス」で導き出された打撃、走塁、守備、投球の数値によって表す指標です。「WAR」では所属チームの勝利への貢献度が重視されます。
「WAR」で高得点を出す選手は、走攻守のすべてで「セイバーメトリクス」の高い数値を出していて、3つのバランスが取れていることも重要です。「WAR」数値がどのように適用されるかを以下にまとめるので参考にしてください。
評価対象 | 必要なWAR数値 |
MVP級の選手 | 8.0以上 |
スーパースター級の選手 | 5.0以上 |
スタメン・レギュラー級の選手 | 2.0以上 |
控え選手 | 0~2.0 |
2軍選手または代替可能選手 | 0未満 |
大谷翔平選手の2021年度の個人成績は、投手としては9勝2敗、防御率3.18、156奪三振、打者としては打率.257、46本塁打、100打点、26盗塁で走攻守のバランスが取れています。
なおかつアメリカン・リーグ最優秀選手(MVP)に選出されているので、「WAR」の数値は8.0以上あることは間違いないでしょう。
長期年俸契約の場合、1WARは800万ドル(10億8000万円)と計算されるので、大谷翔平選手の年俸は6400万ドル(86億4000万円)になります。
1 / 2
続きを読む