プロ野球の規定打席とは?計算方法やメジャーリーグ(MLB)との違いを解説!
プロ野球で野手が目指すべきものが規定打席です。規定打席とはどのような意味が有る記録なのでしょうか。この記事では、規定打席とはどのようなもので、計算方法はどうしたらいいのか、また、規定打席にまつわる記録についてみていきましょう。
目次
プロ野球の規定打席とは?
プロ野球には野手が目指すべきものとして規定打席というものがあります。プロ野球の規定打席とはどのようなものなのでしょうか。この記事では、規定打席の意味や、計算方法などについて詳しくみていきましょう。
打撃のランキングの対象になるために必要な打席数
プロ野球の規定打席とは、打撃の記録のうち、打率、出塁率、長打率の3つの記録のランキングの対象に入るために必要な打席数のことです。
安打数や本塁打数は実際に打った本数がそのまま記録になるので、規定打席は関係ありません。
しかし、打率、出塁率、長打率は、それぞれの本数を打席数で割って割合を計算するので、打席数が少ないほうが数字が高く出やすいのです。
例えば、1シーズンで1打数1安打だったら、打率も出塁率も10割となってしまいます。そのような記録をランキングから排除するために、規定打席を決めて、規定打席に達した野手だけを打撃ランキングの対象者にすることになっているのです。
規定打席の計算方法
規定打席の計算方法です。
NPB(日本のプロ野球)の1軍とMLB(メジャーリーグ)
日本のプロ野球であるNPBの1軍と、MLB(メジャーリーグ)の規定打席の計算方法は、シーズン中の所属チームの全試合数に3.1をかけた数字です。
日本のプロ野球とメジャーリーグはシーズン中の試合数が異なるので、それぞれ次のような計算になります。
日本のプロ野球:144試合 × 3.1 = 443打席
MLB:162試合 × 3.1 = 502打席
NPBの2軍とマイナーリーグ
NPBの2軍とマイナーリーグでは、チームの全試合数に2.7をかけた数字です。
2軍は1軍と行ったり来たりする選手も多く、年間を通して2軍戦に出場する選手が少ないので、1軍よりも規定打席よりもハードルが少なくなっています。
首位打者などを争う場合の例外規定について
なお、首位打者、出塁率、長打率の数字が優れた打者でも、規定打席に達していない選手がいる場合でも、タイトル争いができるように例外規定が設けられています。
規定打席の例外規定は、規定打席まで打席が足りない場合には、足りない分を全て凡打(ヒットにならない打撃)として計算するというものです。
不足分を凡打にしても、規定打席に到達している選手の1位を上回る場合には、首位打者、最高出塁率、最高長打率として認定されます。
例えば、規定打席443打席で、次のような選手が首位打者を争っていたとします。
A選手:443打席380打数128安打 打率0.342
B選手:430打席370打数140安打 打率0.378
B選手は規定打席まで13打席足りないので、13打席凡打したとして計算すると、打率は0.365になります。A選手の打率よりも高いので、B選手が首位打者として認められるのです。
なお、B選手の打率として記録されるのは、不足分を加算する前の記録0.378です。
規定打席にまつわる記録
規定打席については、今までにいろいろな記録が生まれています。少し珍しい記録を紹介します。
規定打席未到達でもホームラン王
規定打席に到達しなかったのに、ホームラン王になった選手がいます。2012年にヤクルトに在籍していたバレンティンは、422打席で規定打席未到達でしたが、ホームラン31本で、この年のセ・リーグホームラン王になりました。
全試合出場でも規定打席未到達
シーズン中の全試合に出場するも、不定打席に到達しなかった選手もいます。2010年に阪神に在籍していた金本知憲は、シーズン144試合全てに出場しながら、途中出場や途中交代が多く、396打席でその年の阪神の規定打席446打席に到達しませんでした。
規定打席到達者中の最低打率
今までに日本のプロ野球に在籍した選手の中で、規定打席に到達したものの打率が最も低い選手は、1950年の広島の坂井豊司です。348打席に立ち、打率1.66だったとのことです。
スタメン全員規定打席到達
1991年にオリックスがスタメン全員規定打席に到達しました。なお、1番から9番までの守備と打順を固定してしまったために、他の選手の出場機会が極端に少なくなり、この年はレギュラー以外の選手で100打席以上立った選手はいませんでした。